お金と資産、ビジネスで
ちょっとウエを目指す情報サイト/Gold beans.

【夏バテ、熱中症】体の不調、気力・体力消耗、重症化を防ぐ漢方薬

屋外は猛暑、室内は冷房で寒い。そんな寒暖差の夏は、だるさや食欲不振、むくみ、汗のかきすぎなど不調の出方も人それぞれです。西洋医学の水分・電解質補給に加え、体のバランスを整える漢方薬で、夏バテ・熱中症を体質タイプ別に予防・改善する方法

斉藤明美2026/07/22

【夏バテ、熱中症】体の不調、気力・体力消耗、重症化を防ぐ漢方薬
  • 夏バテ・熱中症は寒暖差と自律神経・胃腸の乱れで起こる
  • 気虚・水毒・実証・脾虚の4タイプ別に効く漢方薬を解説
  • 水分塩分補給・温湿度管理・睡眠など日常の対策も紹介

この記事でわかること
・夏バテ・熱中症が起こるしくみと漢方薬の考え方
・【気虚タイプ】食欲低下と全身の倦怠感に効く漢方
・【水毒タイプ】水分代謝の滞り・むくみに効く漢方
・【実証タイプ】大量の汗・のどの渇き・ほてりに効く漢方
・【脾虚タイプ】冷えにともなう胃腸の不調に効く漢方
・ワンポイントアドバイス

夏バテ、熱中症を防ぐ漢方薬

今年も暑い夏がやってきました。毎年やってくる高温多湿の厳しい夏、「屋外は猛暑、室内は冷房で寒い」そんな環境の中で体の不調を感じる人が増えています。
夏バテは暑さや冷房の影響で自律神経の乱れや胃腸の機能が低下することにより慢性的なだるさ、汗が出て手足が重い、食欲不振、不眠、下痢、頭痛などがみられます。

また、熱中症は高温多湿の環境下で体内の水分や電解質のバランスが崩れ、体温調節機能がうまく働かず、からだに熱がこもる状態です。大量の汗、頭痛、めまいなどの症状がみられ、重症化すると意識障害、筋肉のけいれんなど危険な状態を引き起こす恐れもあり注意が必要です。
西洋医学では水分、電解質の補給、冷却、安静等が中心ですが、からだのバランスを整える漢方薬で予防や重症化しない工夫をしながら、暑い夏を乗り切りましょう。

気虚タイプ 食欲の低下とともに、全身の倦怠感

暑さと湿度により気力が消耗するために食欲が低下し、冷たい物ばかりが欲しくなり、全身の倦怠感などが起こります。気を補ってパワーを取り戻します。

清暑益気湯(セイショエッキトウ)

【主な症状】夏バテのファーストチョイス、暑さによる食欲不振、夏やせ、全身倦怠感、寝汗、口の渇き、尿量減少

【効果】暑さで消耗した体力と水分を補い、からだにこもった熱を冷まします。

【成分の効能】人参(ニンジン)、黄耆(オウギ)、白朮(ビャクジュツ)、升麻(ショウマ)で元気を補い、麦門冬(バクモンドウ)、五味子(ゴミシ)で潤いをとり戻し、黄柏(オウバク)でほてりを改善します。

補中益気湯(ホチュウエッキトウ)

【主な症状】消化機能の低下、四肢のだるさが著しい、食欲不振、全身倦怠感、夏やせ、寝汗、多汗

【効果】胃腸の機能を高めエネルギーを補うことで消耗した体力を回復させます。

【成分の効能】人参、黄耆が低下したエネルギーを生み消化吸収を助け、白朮、陳皮(チンピ)が水分代謝の乱れを改善し、柴胡(サイコ)、升麻がだるさや気分の落ち込みを上に引き上げ、さらに当帰(トウキ)がからだに潤いをつけます。

六君子湯(リックンシトウ)

【主な症状】元々胃腸が弱く、みずおちがつかえる食欲不振、消化不良、吐き気、冷房で冷えると胃が不調になる

【効果】胃腸の機能を活発にし、水分バランスを整えながら消化吸収を助けることで症状を改善

【成分の効能】人参、白朮が胃腸の働きを高めることでエネルギーを生み出し、茯苓(ブクリョウ)が余分な水を排泄、半夏(ハンゲ)は吐き気、胃もたれを改善、陳皮は気の巡りを良くして胃の不快感を和らげます。

水毒タイプ 冷飲食の摂取過多や発汗のアンバランスで水分代謝が滞る

暑さにより大量の水分を摂取し、一方、湿度が高いために発汗・水分調節がうまくいかず、体内に余分な水が停滞。むくみ、めまい、頭痛、吐き気、のどの渇きなどが起こります。水はけを整えることで症状を改善します。

五苓散(ゴレイサン)

【主な症状】口渇、尿量減少、吐き気、頭痛、下痢、めまい

【効果】からだに溜まった余分な水分を排出して水分の偏りを整えます。

【成分の効能】沢瀉(タクシャ)、猪苓(チョレイ)で余分な水分を排出、茯苓は水分代謝を調整し、白朮は余分な湿気を取り除き、桂枝(ケイシ)は血行を改善することで全体のバランスを調整します。

防己黄耆湯(ボウイオウギトウ)

【主な症状】日頃から暑さに弱い、色白で疲れやすい、少し動いただけでダラダラ出る汗(多汗症)、むくみ(特に下半身)

【効果】気を補いながら胃腸の働きを高め、皮膚の表面や主に下半身の余分な水分を排出して代謝を促します。

【成分の効能】防己(ボウイ)と黄耆が余分な水分を取り除き、体力を補いながら、白朮で湿気を取り除き、大棗(タイソウ)、生姜(ショウキョウ)、甘草(カンゾウ)で胃腸の機能を高めます。

実証タイプ 体力があり、大量の汗、強いのどの渇き、ほてりを伴う

暑さやスポーツなどで汗をかいても、外の温度が高いために体温の発散が十分に行われず、汗を吹き出すようにかくのに体温が上昇。体力が消耗し、脱水を起こすこともあります。放置すると痙攣や意識障害を超すこともあり大変危険です。からだにこもった熱を冷ましながら、失われた水分等を補って症状を改善します。

白虎加人参湯(ビャッコカニンジントウ)

【主な症状】元々体力があり、激しいのどの渇き、顔のほてり、大量の汗・発熱等で体力を消耗、尿量が少ない

【効果】からだの熱を冷ましながら、水分や栄養分を補うことで症状を改善

【成分の効能】石膏(セッコウ)、知母(チモ)がからだにこもった熱を冷まし、人参や粳米(コウベイ)がエネルギーを補い胃腸の機能を整えて症状を改善します。

海水浴やキャンプなどで真っ赤に日焼けしてからだがほてる時にも有効です。

五苓散(ゴレイサン)

【主な症状】汗をかきすぎて水分を摂取してものどの渇きが治まらない、尿量が少ない、吐き気、頭痛

【効果】からだに溜まった余分な水分を排出して水分の偏りを整えます。

【成分の効能】沢瀉、猪苓で余分な水分を排出、茯苓は水分代謝を調整し、白朮は余分な湿気を取り除き、桂枝は血行を改善することで全体のバランスを調整します。

脾虚タイプ 冷房や冷飲食摂取による冷えにともない胃腸の働きが低下

冷房や冷飲食のためにからだが深部から冷えて胃腸の機能が低下し、冷えはもとより、食欲不振や下痢などをひき越します。

五積散(ゴシャクサン)

【主な症状】冷房病や冷たいものの摂りすぎによる食欲不振等の胃腸機能が低下、一日中だるい、立ちくらみ、頭痛・腰痛・関節痛(上半身はほてるが、下半身は冷える)

【効果】気を巡らせながら、からだを温めて血行や水分代謝を改善することで症状を改善します。

【成分の効能】麻黄(マオウ)、桂枝、乾姜(カンキョウ)、白芷(ビャクシ)、生姜でからだを温め、白朮、茯苓、厚朴(コウボク)、陳皮、半夏で胃腸の機能を調え、さらに当帰で血の巡りを高めます。

真武湯(シンブトウ)

【主な症状】手足の冷え、下痢・腹痛、めまい・立ちくらみ、全身の強いだるさ、胃のあたりでポチャポチャと水の音がする

【効果】からだを温めて水分のバランスを整えることで新陳代謝を高めます。

【成分の効能】附子(ブシ)でからだの芯部から強力に温め、茯苓、白朮で余分な水分・湿気を追い出し、生姜で吐き気や胃の不快感を改善します。

ワンポイントアドバイス

・水分・塩分のこまめな補給(経口補水液や麦茶、ハブ茶などをうまく活用)
・室内外の温度・湿度管理エアコンの適切な使用
・食事による疲労回復と体力づくりビタミンB1の摂取
(キュウリ、ナス、トマト、ニガウリ、スイカ、メロン、大豆製品、豚肉、ウナギなど)
・充分な睡眠、湯船につかる入浴
・適度な運動や入浴で汗をかきやすいカラダつくりを心がける(暑熱順化)

【合わせて読みたい】
【春バテ】不安にイライラ…体調不良を改善 自律神経の乱れを整える漢方薬9選
【胃の不調】胃痛、食べ過ぎ、ストレス…症状別「漢方」の使い分け
【むくみ】下半身の腫れに効く漢方とマッサージ、生活習慣
【冷え症】暖めるだけではダメ!漢方薬・生活習慣・食事で対策「タイプ別改善法」

『更年期の不調に効く自分漢方の見つけ方』斉藤明美 著

この記事を書いた人

斉藤明美

斉藤明美薬剤師・医学博士

北里大学薬学部卒業後、大学病院、企業診療所、透析施設で薬剤師として勤務。その後、製薬会社で企画販売に従事し、体調を崩した時に漢方薬に出会い、漢方を学びはじめる。日本漢方協会漢方講座を経て、田畑隆一郎先生の無門塾入門、愛全診療所 蓮村幸兌先生(漢方専門医)の漢方外来にて研修。現在は「より健やかに、更に美しく」を目指して患者さんの漢方相談、わかりやすい漢方の啓蒙活動に取り組んでいる。著書に『更年期の不調に効く自分漢方の見つけ方』(ごきげんビジネス出版)がある。

  • Facebook

※このサイトは「事業再構築補助金」を活用しています