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【便秘】油っぽい食事・お腹の張り・年齢・女性の不調 タイプ別原因と漢方の使い方

便秘は生活習慣や体質によって原因が異なり、放置すると腹部の不快感や肌トラブルなど多くの不調を招くことも。体のタイプ別に原因を見極め、漢方薬で無理なく便通を整える方法をご紹介

斉藤明美2025/12/16

【便秘】油っぽい食事・お腹の張り・年齢・女性の不調 タイプ別原因と漢方の使い方
  • 便秘の原因はさまざま、腸内環境の悪化が全身の不調を招くことも
  • 体質を4タイプに分け、適した漢方薬で便通改善を目指す考え方を解説
  • 食事・水分・生活リズムを整え、漢方と併用して無理のない便秘対策を

便通は毎日あるのが健康な状態ですが、3日以上ない、便が硬い、量が少ない、気持ちよく排泄できず残便感があるなどの状態を便秘といいます。
便秘の原因はストレス、食生活の乱れ、運動不足、便意をがまんする、あるいは不規則な生活などの生活習慣、病気や薬の副作用など多岐にわたります。
便秘による腸内環境の悪化は、腹痛・腹部膨満感・ガス、口臭、肌トラブル、頭痛、肩こり、痔、さらに体重増加などさまざまな不調をうみだします。
 体質改善を図りながら便通を整え、便秘だけでなく関連症状にも対応できる漢方薬をみつけて健全な便通を心がけましょう。

①胃腸の実熱タイプ

【要因】濃厚な食物の継続的な摂取、のぼせ、からだに余っている熱などにより胃腸に熱が蓄積し、水分が少なくなって便秘となります。比較的体力のある人に多くみうけられます。
【対策】大腸を刺激する瀉下効果のある漢方薬を用います。

調胃承気湯(チョウイジョウキトウ) 
【主な症状】便秘を繰り返す、出ないとお腹が張って苦しい、油っぽもの・甘いものが好き、冷たい飲み物を好む、頭重、のぼせ、食欲不振、皮膚炎、痔
【効果】大腸の蠕動(せんどう)運動(消化管の筋肉が波打つように収縮と弛緩を繰り返し、食べ物や便などを送り出す自律的な動き)を促し、体にこもった余分な熱を冷ますことで便秘や便秘に伴う不快な症状をやわらげます。
【成分の効能】大黄(ダイオウ)、芒硝(ボウショウ)、甘草(カンゾウ)の3つの生薬で構成され、大黄が腸の蠕動運動を促進し、芒硝は腸管内に水分を引き込むことで便を軟らかくする効果、甘草は水分バランスを整え、胃を調え、過度な脱水を防ぐことで便通のコントロールを図ります。

防風通聖散(ボウフウツウショウサン) 
【主な症状】お腹周りに脂肪がつきやすい、食用旺盛だが便秘傾向、血圧が高い傾向、頭痛、肩こり、のぼせ、耳鳴り、むくみ、湿疹ができやすい
【効果】からだの余分な脂肪を分解・燃焼し、肥満を解消しながらむくみや排便を促す効果。
【成分の効能】麻黄(マオウ)と山梔子(サンシシ)で脂肪細胞を活性化することで脂肪を分解し、大黄、芒硝で便を軟らかく、防風(ボウフウ)、荊芥(ケイガイ)で発汗・発散、当帰(トクキ)、川芎(センキュウ)で血行促進し、からだ全体の巡りを改善することで便秘の解消につなげます。

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この記事を書いた人

斉藤明美

斉藤明美薬剤師・医学博士

北里大学薬学部卒業後、大学病院、企業診療所、透析施設で薬剤師として勤務。その後、製薬会社で企画販売に従事し、体調を崩した時に漢方薬に出会い、漢方を学びはじめる。日本漢方協会漢方講座を経て、田畑隆一郎先生の無門塾入門、愛全診療所 蓮村幸兌先生(漢方専門医)の漢方外来にて研修。現在は「より健やかに、更に美しく」を目指して患者さんの漢方相談、わかりやすい漢方の啓蒙活動に取り組んでいる。著書に『更年期の不調に効く自分漢方の見つけ方』(ごきげんビジネス出版)がある。

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