北里大学薬学部卒業後、大学病院、企業診療所、透析施設で薬剤師として勤務。その後、製薬会社で企画販売に従事し、体調を崩した時に漢方薬に出会い、漢方を学びはじめる。日本漢方協会漢方講座を経て、田畑隆一郎先生の無門塾入門、愛全診療所 蓮村幸兌先生(漢方専門医)の漢方外来にて研修。現在は「より健やかに、更に美しく」を目指して患者さんの漢方相談、わかりやすい漢方の啓蒙活動に取り組んでいる。著書に『更年期の不調に効く自分漢方の見つけ方』(ごきげんビジネス出版)がある。
40代で始まる男性の更年期
「朝から疲れている」「体が重い」「やる気が出ない」「集中力や判断力の低下」「眠れない」「イライラしやすい」「気分の落ち込み」など年齢からくると思っていた不調は「男性更年期」かも知れません。
女性の更年期症状は概ね50歳前後の閉経を境に急激に女性ホルモンが減少することで症状が現れますので、認識されやすく診断や治療も確立しています。
一方、男性ホルモンは減少する速さや程度、時期は個人差が大きく40歳代以降どの年代でも更年期障害が起こる可能性があります。女性と異なり徐々に減少するので、加齢による身体機能の衰えなのか区別がつきづらいといえます。日本では男性の更年期障害(LOH)の研究が開始されてから20年程度しか経っておらず全貌は明らかになっておらず、仕事、家庭、社会的な責任が重なる時期に発症しやすいといわれています。
漢方では男性更年期の不調を「気・血の不足や滞り」、「肝気の失調(ストレス等による気の乱れ)」、「腎虚(エネルギーの低下)」などによるものと考え、心身全体のバランスを整えることで症状の改善をはかります。
腎虚タイプ――加齢による腎のパワー(元気の源になるエネルギー)が低下
【特徴】加齢により腎(漢方でいう腎臓、副腎、生殖器)の働きが低下することにより様々な症状が現れます。腎のパワーをサポートする漢方薬を用います。
【主な症状】疲労感、膝・腰のだるさや痛み・冷え、頻尿などの排尿異常、性機能の低下、白髪、手足のしびれ・痛み・むくみ、皮膚の乾燥など
八味地黄丸(ハチミジオウガン)
【主な症状】体力中等度以下で、頻尿、四肢が冷えやすい、疲れやすさを感じる、腰痛、耳鳴り
【効果】基礎代謝を維持しからだの深部を温めながら加齢に伴い不足する腎のパワーを補います。
【成分の効能】桂枝(ケイシ)、附子(ブシ)でからだを温め、地黄(ジオウ)、山薬(サンヤク)、山茱萸(サンシュユ)で腎を補い、茯苓(ブクリョウ)、沢瀉(タクシャ)で水分の調整を行い、牡丹皮は血の巡りを整えることで効果を発揮します。
六味丸(ロクミガン)
【主な症状】のぼせ、寝汗、手足のほてり、不眠、口渇、排尿異常、頭のふらつき、めまい、耳鳴り、
【効果】失われた潤いを補い、余分な熱をさますことで生命力を補強し、腎のパワーを補います。
【成分の効能】八味地黄丸から、からだ全体を温める桂枝、附子を除いた処方です。
牛車腎気丸(ゴシャジンキガン)
【主な症状】体力中等度以下で疲れやすい、頻尿、むくみ、しびれ、痛み、四肢の冷え、口の渇き
【効果】八味丸にプラス血を巡らせる、余計な水を排出する効果を強化することで痛みやしびれを改善します。
【成分の効能】八味丸に下半身の血流を促し、筋骨を強める牛膝(ゴシツ)と、余分な水を排泄しながら熱をさます車前子(シャゼンシ)が追加することで症状を改善します。










