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コーセルの受注は59.8%増なのに売上は7.4%減、今期は営業益13億3500万円へ|決算ウォッチ

17日の日経平均は213円25銭高の6万4136円25銭と小幅に続伸した。今日18日の決算発表は2社で、事業会社はコーセル(6905)の5月期1Qが軸になる。前期は営業損失6億9500万円ながら受注高は59.8%増で、今期は営業利益13億3500万円の黒字転換計画だ。

コマンドY2026/09/18

コーセルの受注は59.8%増なのに売上は7.4%減、今期は営業益13億3500万円へ|決算ウォッチ
  • コーセルの前期は受注高278億4100万円で59.8%増、売上高は250億4600万円で7.4%減。受注と売上がねじれている
  • 今期計画は売上288億7500万円で15.3%増、営業利益13億3500万円。ただし期中の子会社連結除外を織り込んだ数字だ
  • もう1社のサツドラHDはMBOが成立して上場廃止の手続き中で、株価は1249円から動いていない

この記事でわかること
・今日18日の決算発表は2社 軸はコーセルの1Q
・今日の相場観 日銀の結果発表と植田総裁の会見がある金曜
・答え合わせ 17日のファーマライズは1.78%高
・今週と来週の決算発表予定

今日18日の決算発表は2社 軸はコーセルの1Q

今日18日に決算発表を行う予定は2社。どちらも5月期の1Qだが、プライム上場の事業会社はコーセル1社になる。

☆【注目度S級】コーセル(6905/電気機器)2027年5月期1Q プライム

項目数字
前期実績(2026年5月期)売上250億4600万円(7.4%減)、営業損失6億9500万円(前期は営業利益6億2800万円)、経常利益2億6700万円(63.9%減)、当期純損失34億600万円
前期の受注高278億4100万円(59.8%増)
今期計画(2027年5月期)売上288億7500万円(15.3%増)、営業利益13億3500万円、経常利益15億3900万円(475.9%増)、当期純利益16億400万円
今期上期計画売上142億100万円(27.5%増)、営業利益3億400万円
前期のセグメント日本140億円(15.3%減)/北米18億9600万円(18.6%増)/欧州64億800万円(2.3%増)
財務自己資本比率86.1%、現預金268億6500万円
配当前期55円 → 今期60円(予想)。DOEの下限を3.5%から4.5%へ引き上げ
17日終値1320円(前日比+0.61%)/出来高15万8400株

スイッチング電源を作る富山の会社で、FA機器や計測機器、半導体製造装置に組み込まれる部品を手がける。

見どころ:前期は受注と売上がはっきりねじれている。受注高が278億4100万円で59.8%増と急回復するなか、売上高は250億4600万円で7.4%減。短信は受注の回復の大部分が翌期以降の売上になると書いており、つまり前期の営業損失6億9500万円は仕事が無かったから出た赤字ではなく、受け取った注文がまだ売上に変わっていない時点の赤字だ。今期計画が15.3%増収・営業利益13億3500万円の黒字転換で置かれているのは、この受注残を売上に変えていく前提になる。

1Qで見る数字:上期計画は売上142億100万円で27.5%増に対し営業利益は3億400万円と、通期13億3500万円のうち利益は下期に大きく寄っている。1Qで通期の2割3割という進捗を期待する数字ではないため、見るべきは進捗率より売上の前年同期比だ。上期27.5%増の線に乗っているなら、受注残の消化は計画どおりということになる。

ただし今期計画の15.3%増収は、そのまま事業の成長率としては読めない。短信の見通しには期中に連結子会社Powerbox International ABの連結除外を見込んだ数字だと書いてある。前期の当期純損失34億600万円もこの株式譲渡契約に伴う関係会社整理損が主因で、34億円の赤字という見出しだけで本業が崩れたと読むと実態を外す。

スイング目線:17日終値は1320円で前日比+0.61%、3営業日前の1283円から+2.88%とじりじり水準を上げてきた地点での発表になる。自己資本比率86.1%、現預金268億6500万円と財務は厚く、配当も今期60円の予想でDOEの下限を4.5%へ引き上げた。派手に動く株ではないが、下値を支える材料は揃っている。

Point:私がこの決算で見たいのは利益の額ではなく、受注が売上に変わる速さだ。 受注生産の会社は納めるまでに時間がかかるため、好調の兆しは受注に先に出て売上と利益には遅れて出る。『10万円を1年で100万円にする株式投資術』にも書いたように決算を見る目的は地雷を避けることにあるが、赤字の見出しの下に受注59.8%増が隠れている決算は、数字を一段掘らないと逆向きに判断を誤る。1Qの売上が上期計画の線に届かなければ、黒字転換は下期に一段と重くなる。

【本日発表予定】サツドラホールディングス(3544/小売業)2027年5月期1Q スタンダード

MBOの経緯2026年6月19日にMBOの実施を発表、公開買付けは8月4日に成立。所定の手続きを経て上場廃止の予定
今期の開示2027年5月期の業績予想・配当予想はいずれも開示なし。株主優待も廃止
17日終値1249円(14日から4営業日続けて1249円)/日中の値幅1249〜1253円

北海道を地盤にドラッグストアを展開する会社だが、この銘柄は今、通常の決算の見方が当てはまらない。株価は4営業日続けて終値1249円と買付価格に吸い付いて動かなくなっており、決算の数字が市場の見ていた線と違ったから株価が動く、という当連載の切り口はこの状態では働かない。1Qの数字が良くても悪くても、株価が向かう先は買付価格だからだ。

今日の相場観 日銀の結果発表と植田総裁の会見がある金曜

指標9月17日前日比
日経平均6万4136円25銭213円25銭高(+0.33%)
TOPIX4094.1932.47pt高(+0.80%)
プライム平均株価+0.97%(中央値+1.02%)
上げた銘柄/下げた銘柄1289/23582.9%/15.1%
プライム売買代金7兆1538億円

※「プライム平均株価」とは、東証プライムに上場する全銘柄の前日比騰落率を、単純に平均した当サイトの独自指数(詳しくは記事末尾)。

17日の日経平均は213円25銭高の6万4136円25銭で小幅に続伸したが、指数の幅より中身のほうが動いた日だった。寄り付きは720円58銭高と大きく買われながら上げ幅を縮め、一時マイナス圏に沈む場面もあった。前日16日の米FOMCで3年ぶりの0.25%利上げが決まり、ケビン・ウォーシュFRB議長の会見がタカ派と受け止められ、年内の追加利上げ予想まで示されたことが上値を抑えている。

中身は、半導体から内需への入れ替えだ。 押し下げ寄与はアドバンテストの約111円を筆頭に東京エレクトロン約72円、TDK、イビデンと半導体関連が並び、押し上げ側はファーストリテイリング約53円、ソフトバンクグループ、中外製薬の順。プライムの値上がりは82.9%、プライム平均株価は+0.97%と上げが広く行き渡っており、213円という小さな上げ幅は値がさの半導体株が指数を押さえた結果だ。円相場は一時1ドル=156円台まで進んだ。

そして今日18日は、日銀金融政策決定会合の結果発表と植田和男総裁の記者会見がある。市場では2会合ぶりの利上げが予想されており、焦点は結果より会見の内容だ。決算が2社しかない日に、相場を動かす材料は正面から1つ来る。 コーセルの1Qがどんな数字で出ても今日の値動きは日銀の受け止めに引きずられる公算が大きい。数字は数字として読んでおき、売買の判断は相場が落ち着いてからにしたい。

答え合わせ 17日のファーマライズは1.78%高

17日付けの記事で取り上げたファーマライズホールディングス(2796)の17日終値は514円で前日比9円高の1.78%高。日中は500円まで下げてから514円まで戻して高値引けとなり、出来高も4万4700株と前日から4倍近くに膨らんだ。

17日付けの記事では、この会社の四半期純損益は1Qと3Qが赤字で2Qと4Qが黒字という並びなので、1Qの赤字それ自体は慌てる材料にならないと書いた。出来高が4倍に膨らみながら高値引けした形は、失望売りに押された値動きではない。もっともこの日はプライムの82.9%が上昇しており、単独で強かったと読むには少し割り引いて見ておきたい。

今週と来週の決算発表予定

日付社数主な銘柄
9月18日(金)2社コーセル(6905/電気機器・プライム) 5月期1Q/サツドラHD(3544/小売業・スタンダード)5月期1Q
9月24日(木)1社大光(3160/卸売業・スタンダード)5月期1Q
9月25日(金)4社ハローズ(2742/小売業・プライム)2月期2Q ほか

決算書Watchでは、またぎを推奨していない。
上がる株であれば、決算発表後も伸びるだろうから、そこで買っても遅くはない。
逆であれば、損切りしてマイナスを確定したほうがよい。
ただし、配当を目的にしている場合は、その限りではない。

5月期決算の会社が順に1Qを出す時期で、発表は1日あたり数社が続く。またぎで悩む場面は少ない週だが、今日は決算より日銀のほうが持ち株に効く。 損をしない、あるいは損を最小限にすること。それが私の基本的な考え方だ。

「プライム平均株価」について

「プライム平均株価」は、東証プライムに上場する全銘柄の前日比騰落率を単純に平均した当サイトの独自指標で、時価総額でも株価水準でも重みをつけず1銘柄を1票として数える。日経平均は値がさ株、TOPIXは大型株が効くのに対し全銘柄を等しく扱うため、上げ下げが広く行き渡っているのか一部に偏っているのかが見える。ただし日経平均より優れた指標という意味ではなく、あくまで補助線だ。17日の対象は1555銘柄。当社が独自に計算した指標であり、取引所等が公表する指数ではない。

※本稿は、投資における情報提供を目的としたもので、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。株式の売買は自己の責任において、ご自身の判断で行うようお願いします。

株価・出来高はJPX公式のJ-Quants APIによる9月17日終値時点の値。日経平均の終値、17日の市況、寄与度、FOMCと日銀金融政策決定会合の日程は共同通信47NEWS配信の市況報道(フィスコ)による。コーセルの業績数値は同社が公表した2026年5月期決算短信(2026年6月19日)にもとづく。サツドラホールディングスのMBOと公開買付けの経緯は各種報道による。

10万円を1年で100万円にする株式投資術(コマンドY 著)

記事を書いた人

コマンドY

スイングトレーダー。著書に『10万円を1年で100万円にする株式投資術』(2026年7月発行)。決算を「地雷を避ける」ための守りの道具として読み、上がり始めを出来高で確かめてから乗ることを基本にしている。

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この記事を書いた人

コマンドY

コマンドYスイングトレーダー

大学卒業後、メーカーを経て広告代理店にてPR・広報のコンサルとしてと企業支援に従事。ところが新型コロナと50歳の節目が重なり、「このまま真面目に働いていていいのか?」と自問自答。一念発起し脱サラして、FIREを目指してスイングトレーダーに転身。現実はまだ“たき火レベル”だが、日々発表される決算書とチャートの動向と格闘している。最近ではAIを駆使し、銘柄研究を行っている。

※このサイトは「事業再構築補助金」を活用しています