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トヨタら90社が決算発表、円が2円半動いた翌日の1Q|決算ウォッチ

3日の日経平均は607円12銭安の6万3754円90銭。日米が7月31日に協調して円買い介入を実施したと3日朝に発表され、ドル円は157円88銭から155円23銭まで2円半下げた。輸送用機器が下落率上位に入り、トヨタ自動車(7203)は3.37%安で、その翌営業日にあたる今日、トヨタの1Qの決算が出る。要注意D級はイビデン(4062)を注目した。値動きの大きい10社も別枠で挙げている。

コマンドY2026/08/04

トヨタら90社が決算発表、円が2円半動いた翌日の1Q|決算ウォッチ
  • トヨタ(7203)の今期計画は営業益3兆円で20.3%減。前1Qは1兆1661億円
  • 三菱重工(7011)は今期事業益5400億円で24.9%増。前1Qは1041億円
  • 要注意D級はイビデン(4062)。前日6.70%安だが3営業日では15.33%高

円が2円半動いた翌日に、輸出の代表が決算を出す

3日の日経平均は607円12銭安の6万3754円90銭で、3営業日ぶりの反落となった。下げ幅はザラ場で一時1600円を超え、安値は6万2703円47銭である。終値ベースでは0.94%安にとどまったが、日中の値動きはそれよりずっと荒い。

下げた理由ははっきりしている。日米両政府が3日朝、7月31日に協調して円買い介入を実施したと発表したことによる。
3日の東京市場でドル円は157円88銭から155円23銭まで、2円半ほど円高に振れている。日本の財務省は「さらなる協調介入の実施も躊躇しない」としており、これで円安方向への戻りに歯止めがかかるか、一時の円高にとどまるか見方は割れている。

円高は輸出企業の採算を悪くする。業種別では輸送用機器、鉱業、保険が下落率の上位に入り、トヨタ自動車は3.37%安の2964円で終えた。3営業日前の3224円からは8.08%安である。

そのトヨタの1Qの決算が今日、出される。前週末7月31日の日経平均は2494円高の大陽線だったから、上げた翌営業日に急落し、その翌日に輸出の代表格が決算を出すという順番になる。相場のほうが先に動いてしまった状態で数字が出てくるわけで、株価がどちらに振れるかは、決算の中身だけでは決まらない。

本日の発表は90社。明日5日は178社、6日は323社、7日は680社と増えていく。7日は7月31日の266社を大きく上回り、今期の決算発表のピークになる。

☆【注目度S級】

トヨタ自動車(7203/輸送用機器) 3月期 1Q プライム

 見どころ:前期(2026年3月期)は営業収益50兆6849億円で5.5%増、営業利益3兆7662億円で21.5%減だった。日本企業として初めて売上50兆円を超えた一方、利益は2割減っている。増収減益であり、売上が伸びていても利益が減っている会社は、どこかに無理があると読むのが基本だ。トヨタの場合、その無理は米国の関税である。

 1Qで見る数字:前1Q(2026年3月期1Q)は営業収益12兆2533億円で3.5%増、営業利益1兆1661億円で10.9%減だった。この前1Qの時点で、関税による減益影響を4500億円織り込んでいる。今回はその1年後の1Qにあたる。今期(2027年3月期)の会社計画は営業収益51兆円で0.6%増、営業利益3兆円で20.3%減だ。前期に続いて2割の減益を、会社自身が計画に置いている。前1Qの営業益1兆1661億円は今期計画3兆円の38.9%にあたるから、同じ水準で出れば計画に対しては速い進捗になる。逆にいえば、計画がそれだけ低く置かれているということでもある。

 スイング目線:8月3日終値2964円、前日比3.37%安。3営業日で8.08%安と、決算発表前に売られた地点での発表になる。この下げの理由は業績ではなく為替だ。円高が採算に効くという理屈は正しいが、それは今日出る4〜6月期の数字にはほとんど入っていない。介入があったのは7月31日で、対象期間の外だからだ。数字と株価が別の材料で動く局面であり、発表後の初動と出来高を見てからでも遅くない。

 Point:私が『10万円を1年で100万円にする株式投資術』にも書いたように、決算は「またぐ」ものではなく、結果と反応を見てから動くものだ。トヨタは今回、変数が2つある。決算の中身と、円がどこで落ち着くかだ。2割減益の計画に対して数字が上振れても、円高が続くと見られれば株価は戻らない。逆も同じである。私なら、数字そのものより、数字が出たあとに出来高を伴って上がり始めるかどうかを見る。

◎【注目度A級】

三菱重工業(7011/機械) 3月期 1Q プライム

 見どころ:前期は売上収益4兆9741億円で14.1%増、事業利益4322億円で21.8%増、親会社所有者帰属当期利益3321億円で35.3%増だった。増収増益であり、トヨタとは逆の形になっている。三菱重工はIFRSを採用しており、営業利益ではなく事業利益という指標を使う点に注意したい。

 1Qで見る数字:前1Qは売上収益1兆1936億円で7.4%増、事業利益1041億円で24.7%増だった。今期(2027年3月期)の計画は売上収益5兆4000億円で8.6%増、事業利益5400億円で24.9%増である。前1Qの事業益1041億円は今期計画5400億円の19.3%にあたる。ここが1つの目安になる。四半期を単純に4等分すれば25%だから、19%台は例年どおり1Qが薄いということだ。今回の1Qがこの水準を上回るかどうかを見たい。

 スイング目線:8月3日終値3799円、前日比0.93%高。円高で輸出関連が売られた日に、逆行して上げている。防衛とガスタービンが主力で、防衛は国内需要が中心のため、円高の直接の影響が自動車ほど大きくないと見られたことが理由だろう。売買代金は813億円とトヨタに次ぐ規模がある。3営業日では1.58%高で、下げた地点からの発表ではない。

 Point:円高の日に上げた株は、その理由を確認しておきたい。三菱重工が上げたのは「業績がよいから」ではなく「円高で売られる理由が薄いから」だ。理由が消極的なぶん、決算の中身が計画を下回れば、支えるものがなくなる。上げてから決算をまたぐのは、下げてからまたぐのと同じだけ分が悪い。

★【要注意D級】

S級・A級は誰もが見る。ここでは、その陰に隠れていて、しかも値が大きく動きやすい一社を挙げておく。注目度ではなく、値動きの荒さで見るべき銘柄という意味だ。

イビデン(4062/電気機器) 3月期 1Q プライム

 見どころ:前期は売上高4162億円で12.7%増、営業利益620億円で30.3%増、純利益637億円で89.0%増だった。半導体パッケージ基板が主力で、生成AI向けサーバーの需要が業績を押し上げている。前期の途中で会社計画そのものが上振れた点は押さえておきたい。前1Q発表時点の通期営業益計画は550億円だったが、実績は620億円で着地している。

 1Qで見る数字:前1Qは売上高974億円、営業利益176億円だった。今期の計画は売上高5000億円で20.1%増、営業利益900億円で45.1%増と、さらに大きく伸ばす前提だ。上期に限れば売上2300億円で17.7%増、営業益380億円で16.7%増を置いている。通期45.1%増に対して上期16.7%増だから、伸びの大半を下期に置いた計画である。前1Qの営業益176億円は今期計画900億円の19.6%にあたる。

 スイング目線:8月3日終値1万5535円、前日比6.70%安。ところが3営業日前からは15.33%高である。7月29日には高値1万5340円から安値1万2980円まで振れ、7月31日は1万6650円で寄り引け同値、つまり値幅制限いっぱいまで買われた。直近20営業日の日中値幅は平均8.93%で、本日発表する90社のなかで最大だ。売買代金は1278億円あるので流動性の心配はない。1か月では16.5%安である。

 Point:この銘柄を要注意D級に置いているのは、上がるほうに賭けるためではない。3営業日で15%上げ、その翌日に6.70%下げるという値動きは、そのまま逆にも起きるということだ。1日の値幅が平均8.93%あるということは、朝に買って夕方に1割近く減っている日が普通にあるという意味である。計画の伸びを下期に厚く置いている会社だから、1Qの数字だけで通期を判断するのも難しい。損をしない、あるいは損を最小限にすること。それが私の基本的な考え方だ。

○【値動き注意】

上の3社のほかに、本日発表する銘柄のなかで値動きの大きいものを10社挙げておく。直近20営業日の日中値幅(高値と安値の差)が大きい順で、売買代金5億円以上のものだけを並べた。添えたのは、なぜ値が動きやすいかという事業の性格だけで、業績の評価はしていない。数字を読むのは上の3社と同じ手順が要るので、気になる銘柄があれば短信に当たってほしい。動くということは、上にも下にも同じだけ動く。持っている人は、その前提で発表日を確認しておきたい。

東京精密(7729/精密機器) 3月期1Q 値幅5.82%
── 半導体ウエハーの加工装置と測定機。設備投資の増減が直接効く。

ダイヘン(6622/電気機器) 3月期1Q 値幅5.61%
── 溶接ロボットと変圧器。電力設備と自動化の両方に乗る。

デクセリアルズ(4980/化学) 3月期1Q 値幅5.01%
── 光学材料と接合材料。スマートフォン向けの比率が高い。

DMG森精機(6141/機械) 12月期2Q 値幅4.71%
── 工作機械大手。12月期なので本日は上期の数字になる。

ウシオ電機(6925/電気機器) 3月期1Q 値幅4.14%
── 産業用光源。半導体露光装置向けが業績を左右する。

十六フィナンシャルグループ(7380/銀行業) 3月期1Q 値幅3.95%
── 十六銀行が中核の岐阜地盤。金利の影響を受ける側にいる。

ニチアス(5393/ガラス・土石製品) 3月期1Q 値幅3.91%
── 断熱・シール材。プラントと半導体装置の両方に納める。

ヒロセ電機(6806/電気機器) 3月期1Q 値幅3.83%
── コネクタ専業。株価が2万7000円台で1単元の値動きが大きい。

住友大阪セメント(5232/ガラス・土石製品) 3月期1Q 値幅3.75%
── セメントと光電子材料。建設需要と半導体の両方を持つ。

住友重機械工業(6302/機械) 12月期2Q 値幅3.42%
── 建設機械と半導体製造装置。12月期なので本日は上期。

【本日発表予定】

上記13社を除く77社が本日発表する。主なものを決算期ごとに挙げる。

■3月期 1Q

ソフトバンク(9434/情報・通信業) ── 通信の内需で、円高の影響を受けにくい側にいる。8月3日終値224円、前日比0.49%高。3営業日では4.83%安。
三井物産(8031/卸売業) ── 資源と機械の総合商社。円高は輸入側に効くため、自動車とは向きが違う。8月3日終値4874円、前日比1.28%安。
ダイキン工業(6367/機械) ── 空調で海外売上比率が高い。8月3日終値2万3295円、前日比変わらず。3営業日では2.33%安。
日本製鉄(5401/鉄鋼) ── 鉄鋼は3日に売られた業種の1つ。8月3日終値647円、前日比0.40%安。
マツダ(7261/輸送用機器) ── トヨタと同じ日の発表。海外売上比率が高く、円高の影響は自動車のなかでも大きい側だ。8月3日終値1142円、前日比2.93%安。
住友化学(4005/化学) ── 8月3日終値513円、前日比1.67%安。
東ソー(4042/化学) ── 8月3日終値2704円、前日比0.24%安。
帝人(3401/繊維製品) ── 8月3日終値1618円、前日比1.16%安。
ALSOK(2331/サービス業) ── 8月3日終値1146円、前日比2.26%安。3営業日では6.67%安。
日清食品ホールディングス(2897/食料品) ── 8月3日終値2849円、前日比1.26%安。3営業日では8.01%安。
ヤマハ(7951/その他製品) ── 8月3日終値1230円、前日比1.05%安。
タカラトミー(7867/その他製品) ── 8月3日終値3656円、前日比0.80%高。
東武鉄道(9001/陸運業) ── 8月3日終値3016円、前日比2.58%安。
川崎汽船(9107/海運業) ── 海運は円高が運賃収入の円換算に効く。8月3日終値2868円、前日比0.63%高。
長瀬産業(8012/卸売業) ── 8月3日終値1162円、前日比2.07%高。当日の主要銘柄では上昇率が大きい。
丸井グループ(8252/小売業) ── 8月3日終値2887円、前日比2.71%安。
フジ・メディア・ホールディングス(4676/情報・通信業) ── 8月3日終値3919円、前日比1.56%安。3営業日では7.98%安。

NTN(6472)/横河電機(6841)/ユー・エス・エス(4732)/ハウス食品グループ本社(2810)/エイチ・ツー・オー リテイリング(8242)/アクシアル リテイリング(8255)/Joshin(8173)/サックスバー ホールディングス(9990)/九州旅客鉄道(9142)/三井倉庫ホールディングス(9302)/安田倉庫(9324)/飯野海運(9119)/文化シヤッター(5930)/アイカ工業(4206)/あすか製薬ホールディングス(4886)/AREホールディングス(5857)/日本信号(6741)/大崎電気工業(6644)/アイホン(6718)/TOA(6809)/トピー工業(7231)/エフ・シー・シー(7296)/世紀東急工業(1898)/朝日工業社(1975)/シグマクシス・ホールディングス(6088)/ドリームインキュベータ(4310)/Umios(1333)ほか

銀行は千葉銀行(8331)/ひろぎんホールディングス(7337)/十六フィナンシャルグループ(7380)/東和銀行(8558)/富山銀行(8365)/トマト銀行(8542)の6行が発表する。前日8月3日に11行が出たばかりで、地方銀行の1Qが2日続く形だ。

■12月期 2Q

クボタ(6326/機械) ── 12月期なので本日は上期。北米の農機需要が業績を左右する。8月3日終値2717円、前日比1.04%安。
AGC(5201/ガラス・土石製品) ── 建築用ガラスと電子部材。8月3日終値6063円、前日比0.26%安。
ヤマハ発動機(7272/輸送用機器) ── 二輪と船外機。海外売上比率が高く、円高が効く側にいる。
MonotaRO(3064)/タダノ(6395)/JUKI(6440)/KHネオケム(4189)/オークネット(3964)/立川ブラインド工業(7989)

■9月期 3Q

タスキホールディングス(166A)/HENNGE(4475)/MTG(7806)/ユーラシア旅行社(9376)

■6月期 本決算

アクモス(6888)

このほかスタンダード・グロースの銘柄が発表する。

今後の決算発表予定 またぎ注意

決算書Watchでは、またぎを推奨していない。
上がる株であれば、決算発表後も伸びるだろうから、そこで買っても遅くはない。
逆であれば、損切りしてマイナスを確定したほうがよい。
ただし、配当を目的にしている場合は、その限りではない。

本日90社を通過すると、5日に178社、6日に323社、7日に680社と増えていく。7日の680社は7月31日の266社を大きく上回り、今期の決算発表のピークになる。来週10日も244社ある。持ち株の決算発表日を確認していない人は、今日のうちに見ておきたい。

今週は、決算の中身のほかに為替という変数が乗っている。日米が協調介入に踏み切り、さらなる実施も躊躇しないと明言した以上、円がどこで落ち着くかは会社の努力とは関係なく決まる。輸出企業の決算をまたぐと、決算の中身と、為替がどちらに振れるかの2つを同時に当てにいくことになる。片方が読めても、もう片方は読めない。

数字がよくても株価が下がる日はある。円高がその理由になる週だ。私なら、発表後に出来高を伴って上がり始めるのを確認してから動く。

損をしない、あるいは損を最小限にすること。それが私の基本的な考え方だ。

※本文中の決算数値は、各社が公表した決算短信にもとづく。トヨタ自動車は2026年5月8日公表の2026年3月期決算短信および2025年8月7日公表の同期第1四半期決算短信、三菱重工業は2026年5月12日公表の2026年3月期決算短信および2025年8月5日公表の同期第1四半期決算短信、イビデンは2026年5月11日公表の2026年3月期決算短信で確認した。四半期実績はJPX公式のJ-Quants APIでも突き合わせた。株価・出来高・日中値幅も同APIによる値で、いずれも8月3日終値時点。値動き注意に挙げた10社の日中値幅は、8月3日時点で直近20営業日の平均を取ったもので、いずれも売買代金5億円以上の銘柄に限っている。日経平均の終値と8月3日の市況、日米の協調介入とドル円の値動きは報道による。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。
記載内容は将来の株価や利益を保証するものではありません。
株式の売買はご自身の判断と責任において行ってください。

コマンドY/スイングトレーダー
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この記事を書いた人

コマンドY

コマンドYスイングトレーダー

大学卒業後、メーカーを経て広告代理店にてPR・広報のコンサルとしてと企業支援に従事。ところが新型コロナと50歳の節目が重なり、「このまま真面目に働いていていいのか?」と自問自答。一念発起し脱サラして、FIREを目指してスイングトレーダーに転身。現実はまだ“たき火レベル”だが、日々発表される決算書とチャートの動向と格闘している。最近ではAIを駆使し、銘柄研究を行っている。

※このサイトは「事業再構築補助金」を活用しています