この記事でわかること
・8月25日の東京市場──3日ぶりに、指数と中身の方向がそろった
・【本日発表予定】0社──今日は、日本企業の決算発表がない
・タカショー(7590)──通期純利益計画1億2000万円に対し、上期だけで1億7300万円
・★要注意D級 北川精機(6327)──7.12%戻したが、売買代金は20日平均の4割以下
・今後の決算発表予定──またぎ注意
8月25日の東京市場──3日ぶりに、指数と中身の方向がそろった
25日の日経平均は328円34銭高の6万5856円43銭で、3営業日ぶりに反発した。前日の米ナスダック安を受けて半導体関連を中心に売りが先行したが、売り一巡後は下げ渋り、原油先物価格と米長期金利が落ち着いた動きだったことが安心感となって買い戻しが広がりプラス圏を回復している。
前号と前々号で「指数と中身が逆行している」と2日続けて書いたが、25日はその形が解けた。
| 指標 | 8月25日 | 前日比 |
|---|---|---|
| 日経平均 | 6万5856円43銭 | +328円34銭(+0.50%) |
| TOPIX | 4093.67 | +20.38(+0.50%) |
| プライム平均株価 | ― | +0.21% |
3つとも上げている。プライム市場全体では値上がりが847銘柄、値下がりが647銘柄で、数のうえでも上げた銘柄のほうが多い。
押し上げたのは2銘柄で約169円
ただ寄与度を見ると、上げの中身は前日までと地続きになっている。
| 区分 | 銘柄 | 寄与度 |
|---|---|---|
| 押し上げ | ソフトバンクグループ | +90円11銭 |
| 押し上げ | イビデン | +79円45銭 |
| 押し上げ | フジクラ | +55円51銭 |
| 押し上げ | 東京エレクトロン | +26円15銭 |
| 押し下げ | ファーストリテイリング | ▲24円94銭 |
| 押し下げ | アドバンテスト | ▲12円07銭 |
| 押し下げ | ホンダ | ▲10円26銭 |
上位2銘柄のソフトバンクグループとイビデンだけで約169円を押し上げており、この日の上げ幅328円34銭のおよそ半分にあたる。24日にアドバンテストとソフトバンクグループの2銘柄で563円17銭を押し下げたのと、構図としては同じだ。値がさ株が指数を振り回す形そのものは変わっていない。
違うのは、プライム平均株価が+0.21%とプラス圏で、日経平均と方向が一致したことだ。24日は指数▲0.74%に対してプライム平均+0.15%と符号が割れていた。符号がそろった日は、指数の数字を相場の温度としてそのまま読んでよい。
業種別では非鉄金属、保険業、証券・商品先物取引業などが上昇し、輸送用機器、海運業、ゴム製品が下落した。プライム市場の売買代金は7兆99億円で、前日の7兆636億円からさらに減っている。
26日と28日で、様子見の理由が2つある
売買代金が細っているのは、今週に外部要因が2つ控えているからだ。
26日 米エヌビディアの5〜7月期決算発表
28日 ジャクソンホール会議でのFRB議長講演
日本時間で言えばエヌビディアは27日未明に出る。つまり今日26日の日本市場は、まだその結果を見ないまま動く。半導体関連を持っているなら、今日の値動きは材料を織り込む前の値段だと考えておきたい。
【本日発表予定】0社──今日は、日本企業の決算発表がない
今日26日、日本の上場企業の決算発表予定は0社だ。
決算は5月・8月・11月・2月に集中し、それ以外は1日数社まで落ちる。8月も中旬を過ぎて、その谷の底にあたるのが今日ということだ。
だからといって、材料がないわけではない。決算発表の大半は引け後15時30分以降に出る。昨日25日の15時30分に開示された数字を市場が評価するのは、次に取引所が開く今日26日だ。
| 時点 | 起きること |
|---|---|
| 8月25日 15時30分 | タカショーが2Q決算を開示。この時点で25日の取引は終わっている |
| 8月26日 9時00分 | 市場がそれを評価する ← 今日 |
発表社数が0の日でも、値段がつく決算はある。以下、昨日出た1社と、先週出て今も尾を引いている1社を見ていく。
タカショー(7590)──通期純利益計画1億2000万円に対し、上期だけで1億7300万円
25日15時30分、タカショーが2027年1月期の第2四半期(中間期)決算を開示した。前号で「営業利益129.0%増、純利益39.6%減という計画」と書いた、あの会社の中間発表だ。
| 項目 | 2027年1月期2Q | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 110億9800万円 | +1.5% |
| 営業利益 | 3億8600万円 | +1.0% |
| 経常利益 | 4億6300万円 | +32.8% |
| 親会社株主に帰属する中間純利益 | 1億7300万円 | +50.7% |
売上と営業利益はほぼ横ばいだが、経常利益から下が伸びている。営業外の項目が効いた形だ。
通期計画に対する進捗
タカショーの通期計画は据え置かれた。その計画に対する上期の進捗を並べると、こうなる。
| 項目 | 通期計画 | 上期実績 | 進捗率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 229億6100万円 | 110億9800万円 | 48.3% |
| 営業利益 | 5億0100万円 | 3億8600万円 | 77.0% |
| 経常利益 | 5億2000万円 | 4億6300万円 | 89.0% |
| 純利益 | 1億2000万円 | 1億7300万円 | 144.2% |
純利益は、上期だけで通期計画を44.2%超えている。
見どころ
進捗144.2%という数字だけ見れば、計画が保守的すぎるように映る。ただし、ここは読み方に注意が必要だ。
タカショーの通期計画は、前期実績1億9800万円に対して1億2000万円、39.6%の減益で置かれている。前期の純利益には一過性の要因が含まれていた可能性が高く、会社はそれが剥落する前提で計画を組んだと読める。上期で計画を超えたのは、その剥落がまだ効いていないだけかもしれない。
売上高の進捗が48.3%と、ほぼ半分ぴったりで着地している点も見ておきたい。売上は計画線どおりに進んでいて、利益だけが上振れている。これは事業が計画以上に伸びたというより、費用か営業外の項目が計画と違う動きをしたと考えるほうが自然だ。
スイング目線
25日のタカショーは6円高の408円で、前日比+1.49%だった。値幅は2.21%、出来高は13万0500株で20日平均2万5410株の5.14倍に膨らんでいる。
ただ、この出来高が乗ったのは発表前の時間帯だ。開示は15時30分で、25日の取引はその時点で終わっている。25日の株価は決算を見ていない値段であり、答えが出るのは今日26日ということになる。
売買代金は5280万円で、流動性はかなり細い。株価408円という水準で、8月に入ってから終値ベースで390円〜408円のあいだを動いているだけだ。値が飛びやすい銘柄なので、寄り付きの値段に飛び乗らないこと。進捗率144.2%という見出しの数字だけが独り歩きすると、寄り高で終わる形になりやすい。
★要注意D級 北川精機(6327)──7.12%戻したが、売買代金は20日平均の4割以下
前号で要注意D級に挙げた北川精機が、25日に7.12%高の3310円で引けた。前号で「4営業日で21.47%下げ、戻りが1度も続かない」と書いた翌日に、この日は戻している。
前号の見立てと、25日の結果
| 前号(8月25日号)で書いたこと | 25日の結果 | |
|---|---|---|
| 株価 | 8月24日終値3090円 | 3310円(+7.12%) |
| 見立て | 戻りが1度も続いていない | この日は戻した |
ここは見立てが外れた形になるが、戻り幅の意味を測るには8月18日を基点に置き直したほうがいい。
| 日付 | 終値 | 8月18日終値比 |
|---|---|---|
| 8月18日 | 3935円 | ― |
| 8月19日 | 3310円 | ▲15.88% |
| 8月20日 | 3470円 | ▲11.82% |
| 8月21日 | 3235円 | ▲17.79% |
| 8月24日 | 3090円 | ▲21.47% |
| 8月25日 | 3310円 | ▲15.88% |
25日の3310円は、8月19日と同じ値段だ。4営業日かけて下げたぶんを1日で戻したように見えるが、戻った先は下げ始めた翌日の水準であって、決算前の位置には遠い。
決算の中身は悪くない
8月18日15時35分に開示された2026年6月期の本決算は、数字自体は良かった。
| 項目 | 2026年6月期実績 | 前期比 | 6月19日修正計画 | 達成率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 66億0700万円 | +6.1% | 66億円 | 100.1% |
| 営業利益 | 9億4900万円 | +52.2% | 8億5000万円 | 111.6% |
| 経常利益 | 10億3100万円 | +72.0% | 9億円 | 114.6% |
| 純利益 | 7億5000万円 | +90.1% | 6億1000万円 | 123.0% |
4項目すべてが計画を超えている。しかも6月19日に一度上方修正したうえでの超過だ。来期2027年6月期の計画も、売上100億円(+51.3%)、営業利益12億円(+26.4%)と強気に置かれている。
それでも翌19日に15.88%下げた。ここが決算の読み方として大事なところだ。
株が動くのは、good か bad かではなく「市場が織り込んでいた水準との差」で決まる。北川精機は8月12日から18日までの5営業日で3210円から3935円まで22.6%上げていた。良い決算はその時点ですでに買われていた、と読むのが素直だ。8月18日の出来高162万7300株は、直前20営業日の平均74万4230株の2.19倍で、発表前に買いが集中していた形跡がある。
スイング目線
問題は25日の戻りの中身だ。
| 日付 | 終値 | 前日比 | 売買代金 |
|---|---|---|---|
| 8月19日 | 3310円 | ▲15.88% | 48億3500万円 |
| 8月20日 | 3470円 | +4.83% | 22億4900万円 |
| 8月21日 | 3235円 | ▲6.77% | 14億7900万円 |
| 8月24日 | 3090円 | ▲4.48% | 12億0800万円 |
| 8月25日 | 3310円 | +7.12% | 10億0000万円 |
上げた日なのに、売買代金は5営業日で最も少ない。直前20営業日の平均26億4500万円と比べると4割を切っている。8月20日も+4.83%と戻したが、そのときの代金は22億4900万円あった。同じ「戻り」でも、厚みが半分以下になっている。
拙著『10万円を1年で100万円にする株式投資術』で「上がり始めを、出来高を伴って買う」と書いた。出来高を条件に入れるのは、それが参加者の数を映すからだ。売り物が減って値が軽くなっただけの上げは、少ない買いでも上がる代わりに、少ない売りでも落ちる。
25日の値幅は9.37%で、依然として1日で1割近く動く銘柄だ。値幅が大きいということは、逆にも同じだけ動くということでもある。下げ止まりは下げ幅ではなく、その後の値動きと出来高でしか確認できない。3310円という値段が2度目に出たこと自体は事実だが、それが底だったかどうかは、今日以降の代金が戻るかどうかを見てからでも遅くない。
持っている場合は、撤退ラインを先に決めておきたい。含み損を抱えると、判断が「戻ってほしい」という願望のほうに寄っていく。
今後の決算発表予定──またぎ注意
今週から来週にかけての発表予定は次のとおり。
| 日付 | 社数 | 主な銘柄 |
|---|---|---|
| 8月26日(水) | 0社 | ― |
| 8月27日(木) | 1社 | ダイドーグループホールディングス(2590/食料品)1月期2Q プライム |
| 8月28日(金) | 1社 | キタック(4707/サービス業)10月期3Q スタンダード |
| 8月31日(月) | 5社 | パーク24(4666/不動産業)10月期3Q プライム/トリケミカル研究所(4369/化学)1月期2Q プライム/ラクーンホールディングス(3031/情報・通信業)4月期1Q プライム ほか2社 |
| 9月1日(火) | 3社 | ― |
今週は決算をまたぐかどうかで悩む場面が、ほとんどない週だ。発表があるのは27日と28日にそれぞれ1社ずつで、来週月曜の5社まで間隔が空く。
決算をまたぐのは、結局のところ賭けになる。内容が良いか悪いかは発表されるまで誰にもわからないうえに、良くても「織り込み済み」で下げることがある。北川精機がまさにその形だった。またぐ理由がない週は、またがなくていい。発表後の反応という事実を見てから動いても、スイングなら十分に間に合う。
ただし、配当を目的にしている場合は、権利確定日との兼ね合いで判断が変わる。ここは自分の保有目的で切り分けたい。
外部要因のほうは、26日のエヌビディア決算と28日のジャクソンホールが控えている。半導体関連を持っているなら、日本企業の決算より、こちらのほうが影響は大きい。
「プライム平均株価」について
プライム平均株価は、東証プライムに上場する全銘柄の前日比騰落率を単純に平均した、当サイトの独自指標だ。時価総額でも株価水準でも重みをつけず、1銘柄を1票として数える。8月25日の対象は1557銘柄だった。
日経平均は株価平均型なので、株価の高い値がさ株の動きが指数に強く出る。TOPIXは時価総額加重なので、大型株や金融・内需の動きが効く。これに対してプライム平均株価は全銘柄を等しく1票として扱うため、数のうえで上げた銘柄が多かったのかを見るのに向いている。
25日は日経平均が+0.50%、プライム平均株価は+0.21%だった。値上がり847銘柄に対し値下がり647銘柄、変わらず63銘柄で、中央値は+0.13%だ。3つの指標がそろって上を向いたのは、8月21日から3営業日ぶりになる。
平均+0.21%に対して中央値が+0.13%とやや低い。これは大きく上げた銘柄が平均をいくらか引き上げているということで、上げ幅が全銘柄に均等に配られたわけではない。それでも前日までのように符号が割れてはいない。
ただし、これは日経平均より優れた指標という意味ではない。売買代金の大きい値がさ株の動きは、それ自体が相場の重要な情報だ。プライム平均株価は、値がさ株の影響を受けない見方をするとどう見えるか、という補助線として置いている。
なお株価は分割調整後の値を使い、前営業日と当日の双方に終値がある銘柄のみを対象にしている。この指標は当社が独自に計算したものであり、取引所等が公表する指数ではない。
※本文中の決算数値は、各社が公表した決算短信(タカショー:2027年1月期第2四半期決算短信、北川精機:2026年6月期決算短信)にもとづく。株価・出来高・日中値幅・売買代金はJPX公式のJ-Quants APIによる8月25日終値時点の値。日経平均の終値と25日の市況、寄与度は日経平均プロフィルおよび報道による。決算発表予定は日本取引所グループ「決算発表予定会社一覧」による。
※本稿は、投資における情報提供を目的としたもので、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。株式の売買は自己の責任において、ご自身の判断で行うようお願いします。





