身近にいるサイコパスな人――その特徴とつき合い方

親戚縁者が集まる葬儀の読経の最中に突然「土地を買い取ってくれ」と言い出した従兄弟。父子二代わたって悩まされ続け、「サイコパス」ではないかと心配した相談者がその縁を絶ちきるため行動をおこす。

北 淑2024/03/05

葬儀の読経中に土地を買い取ってといわれて

そんなAさんのWebカウンセリングというのは、自宅兼工場の土地を騙し取った伯父の子ども、つまりAさんの従兄弟についてでした。

この土地自体は名義が書き換えられていたため売却はもちろん、改築もできずに老朽化したまま、Aさんの両親が長年住み続けていました。しかし、数年前に父親が、母親も昨年亡くなりました。
その通夜の席で、従兄弟から「固定資産税を滞納して払えなくなった。土地代はいらないので、固定資産税を全額払って土地を引き取ってほしい」と読経の響くなか話し始められたというのです。

この出来事にAさんは驚きましたがそれ以上にAさんが心配したのは、いつかの伯父、その息子である従兄弟の行動の冷淡さや人を操る傾向が、「サイコパス」ではないかと心配したからでした。
サイコパスというと、何やら猟奇的、あるいは異常性な言動をする人と思いがちですが、実はそうではなく、社会性に欠けた言動をする人たちのことで、ごく身近にいます。また、サイコパスは医学的、最近は脳画像などの判断基準によって診断できるようにもなっています。

実際、Aさんの伯父も、兄弟でありながら土地の名義を書き換えるという大胆な行動。その息子である従兄弟も、通夜の席での土地の問題を大きな声で話すという常識のなさは、サイコパス的と考えても無理はありません。しかも、サイコパスは先天的な原因があると一部ではいわれており、男性に多いとされています。

そのためAさんは、昭和、平成、令和と続く、父の兄弟という親族関係が、「いつまで続くのか、どうすれば、それを完全に縁を切ることができるのか、そんな心配から、カウンセラーに相談してみようと考えた」ことから私のところにこられたということでした。

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この記事を書いた人

北 淑

北 淑公認心理師 博士(医学)

大手不動産会社で産業保健活動を行う一方、都内で親子や夫婦の関係改善のためのプライベートカウンセリングを実践している。また、最近は、Webカウンセリングも行い、関東甲信越や東北地方の人たちとのセッションにも力を入れている。

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