政治・経済、都市開発・不動産、再開発等に関係するプロフェッショナル集団。主に東京の不動産についてフィールドワークを重ねているが、再開発事業については全国各地の動きをウォッチしている。さらにアジア・欧米の状況についても明るいメンバーも参画している。
応募締め切りの前日に参加表明がした三井不動産
東京・築地の旧築地市場跡地(23ヘクタール)の再開発の提案募集が8月31日に締め切られた。8月30日には三井不動産を中心にした企業グループが参加する意思表明を、日本経済新聞だけが報道したが、1社フループ「当て馬」としても複数の企業グループが応募する可能性があるまだある。
とはいえ、これまで提案募集に参加する候補に挙げられていたのは、大手マスコミなど大型再開発には縁がない新聞社など数社の新たな名も挙がっている。
応募事業者は10社程度でコンソーシアムのような事業体(SPC=特別目的会社)をつくり、24年3月までにどのSPCに開発を任せるかを決めるのだが、今回は異例にも東京都は「SPCの増資もOK」という方針を示しているため、マスコミが増資分を引き受けあと出しジャンケンするのではちいう憶測を呼んでいる。
神宮外苑再開発と似たような構図
というのも、多くの著名人も再開発見直しに賛同し、反対運動が盛んな神宮外苑の再開発では、三井不動産が事業者集団のリーダーになっており、秩父宮競技場(ラグビー場)の再開発では三井不動産が主導し、その三井不動産と親密な読売新聞グループ傘下の企業などが再開発に加わっている。
その新秩父宮は、人工芝、観客席数がほぼ半減、人工芝グラウンド、大型スクリーンなどを設置し、音楽やイベントにも利用できる新型の多目的アリーナに近い仕様になっている。
主導権は三井、読売にあり、ラグビーも聖地の匂いが抜けてしまった。
さて、築地市場跡地の再開発では、1万人以上が利用できる集客施設を導入することが、再開発の条件になっており、「三井式」のアリーナの類が築地市場跡地にできても、不思議ではない。