大手不動産会社で産業保健活動を行う一方、都内で親子や夫婦の関係改善のためのプライベートカウンセリングを実践している。また、最近は、Webカウンセリングも行い、関東甲信越や東北地方の人たちとのセッションにも力を入れている。
サイコパスな人の行動パターンと対応法
では、サイコパスの人とはどんな人たちなのか、そして、サイコパスの人たちとはどういった接し方がよいのでしょうか。
サイコパスの人の心理的特性は、共感力が欠如して冷淡、罪悪感や後悔、罪の意識が乏しく、人を操ることに長けています。また、冗舌で表面的な魅力を持つ人が多いのも特徴です。その行動の特性は、衝動性があり、退屈しやすく刺激を求めやすいという傾向があります。
具体的な言動例としては、いわゆる詐欺などで、「振り込め詐欺」の首謀者や、DVの加害者がサイコパスということもあります。
なかでも、DVの加害者に見られるのが、殴ったあとに「本当にごめんな、こめんな」と謝るなどが典型的な言動です。
では、こうしたサイコパスの人とはどうのように接すればいいか。
できるだけ近づかない、関わらないことが一番ですが、関わらないといけない場面では、その人の話には何らかの嘘があると想定して、必ず裏付けをとること。そして、金銭の貸し借りは絶対にしないことです。また、貸すのであれば返済はないと覚悟する必要があります。
そのうえでAさんには、どんな場面でも弁護士などの専門家を同席で会うこと、割り切って早く解決することなど、一般的なアドバイスをしました。
残念ながら、カウンセリングでは具体的な解決方法をご提案できませんでしたが、Aさんは信頼のおける弁護士と相談しながら対応を進め、滞納した固定資産税を肩代わりすることで決着しました。
伯父はなぜ名義を書き換えたのか?
ここわからないのはAさんの伯父が、なぜ名義を書き換えたのかということです。
Aさんの話では、その伯父はAさん一家に対して、一度も家を退去するように迫ったことはなく、Aさんの父は、借地という形をとって住んでいたといいます。その間、固定資産税などは、従兄弟の話からもわかるようにその伯父が支払っていました。
また、従兄弟の話からすると、Aさんの両親が伯父や従兄弟に土地の借地権料を払っていたということもなさそうです。これではその伯父にとって土地の名義を書き換えただけで、なんのメリットもありません。
ここからはあくまでも想像ですが、叔父が名義を書き換えて自分のものにしたのは、何らかの利益を得ることを目的としたのではなく、事業で成功した弟であるAさんの父親に対する嫌がらせ、あるいは復讐。
その背景には、伯父とはAさんの父親は、兄弟とはいえ伯父は先妻の子で、Aさんの父親は後妻の子です。それに対して伯父は何らかわだかまりのようなものがあった、あるいは後妻を娶った父親、つまり、Aさんの祖父に対する意趣返しではなかったか――そんな風に考えると伯父の行動が腑に落ちてくるのです。
こうした利害とは関係のない、冷静に考えれば自分にメリットがない行動をするのも、やはりサイコパスの人の特徴でもあります。