1945年新潟生まれ。
中央大学商学部卒業後、東京重機工業株式会社(現株式会社ジューキ)入社。退社後は、企業の倒産現場に数多く立会い、企業の倒産回避のノウハウをマスター。1995年設立のTSKプランニングで、コンサルタントとして経営危機に直面した企業の倒産回避および事業再生に関するコンサルティングを手掛けている。
著書に『隣の会社「なぜ?」潰れないのか』『脱常識のしたたか社長論。』『日本が潰してはいけない会社』など多数。
人手不足業界第5位は人材派遣業
人材派遣業は、社会的にも認知され、人材派遣許可事業者は4万2448社、人材派遣による就業者も男性53万人、女性87万人(2021年現在、日本人材派遣協会)と、派遣の就業者数も増えきました。
その背景は、当初は人件費の削減でしたが、慢性的な人手、人材不足の現状では、企業にとって人材派遣は、なくてはならないものになっています。
コロナが明けて世の中の流れが変わり、活気が出ているビジネスと、そうでないビジネスの二極化が進んでいます。その二極化の要因は人手不足にあります。
ところが帝国データバンクの「人手不足に対する企業の動向調査」(2023年4月)によると正社員の人手不足企業の上位10社は以下のようになっています。
1)飲食店
2)人材派遣・紹介
3)旅館・ホテル(同率)
3)各種商品小売(同率)
5)メンテナンス・警備・検査
6)飲食料品小売
7)金融
8)教育サービス
9)情報サービス
10)運輸・倉庫
1位の飲食というは理解できるのですが、人手不足を背景にさらに成長しているであろうと思われる人材派遣業が非正規社員の人手不足割合で、2位に入っていることを意外に思われる方もいらっしゃるのではないかと思います。
実は、人材派遣業界は今、最大のチャンスであるのと同時に、最大のピンチでもあります。
同じ帝国データバンクのデータによると、2023年の1月から12月までに72件の人材派遣会社が倒産しています。これは2015年に人材派遣業が許可制になって以来最多で、このままいくと、2024年はさらに増えることが予測されます。このように人材派遣業界は今、厳しい環境の中にあります。