【インタビュー】宮坂力先生! 2025年にペロブスカイト太陽電池は実用化できますか?

ペロブスカイト太陽電池をめぐっては2023年10月岸田首相2025年の実用化を表明、経産省も650億円に予算を上積みし開発に本腰を入れている。一方、ペロブスカイト太陽電池をめぐっては中国も実用化に向けて開発に力を入れている。そんな現状についてペロブスカイト太陽電池の発明者で、ノーベル賞候補とされる宮坂力桐蔭横浜大特任教授に聞いた。

小川純2024/04/18

【インタビュー】宮坂力先生! 2025年にペロブスカイト太陽電池は実用化できますか?
  • 実用化の課題は、安定的に結晶化させるレシピとノウハウを確立させること
  • 製品化が難しければ難しいほど、日本が中国に勝てるチャンスが増える
  • 日本企業が抱えるトラウマを払拭できるかがペロブスカイト太陽電池成功のカギ

今の課題は、30センチ角での良品比率を上げること


岸田首相が2025年に実用化を目指す考えを表明した次世代の太陽電池として注目を集める「ペロブスカイト太陽電池」だが、実用化は可能なのだろうか。1


宮坂:単に作るだけならできます。問題はメーカーがこれを商品化、量産化した際の良品比率、歩留まりを上げていかないと、収益になりません。今は、そのメドが立つか、どうかの段階になっています。

日本で実際にそれやっているのは積水化学さんだけですから、25年実用化というのは簡単にはいかなのではないかと思っています。
商品化して商売としてやっていくには、歩留まり率95%ぐらいは必要になるように思います。


太陽電地というと、シリコンの太陽電地が思い浮かぶが、ペロブスカイト太陽電池はフィルム状で軽いという特長がある。


宮坂:ペロブスカイト太陽電池の開発はすでに実験室段階から、生産工程に入っています。
ペロブスカイト太陽電池を作る心臓部の技術は塗布(塗工)技術(※コーティング剤などで材料の表面を濡らし、乾燥させることで材料同士が反応し新しい機能が生じる)で、これは完全に化学なんですね。

作り方は、原料の溶剤(液体)を数十ミクロンの厚さでフィルム(基板)に溶剤を塗ります。その塗った溶剤が揮発してできる太陽電地になる膜になりますが、この膜を1ミクロンに均一の厚さになるようにします。
しかし、溶剤は塗った直後から結晶化反応がはじまるので、この結晶化を制御しようにも化学反応なので、温度、湿度や気圧など外部環境によって変わるため非常に難しい。

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1センチ四方ぐらいの大きさであれば発電効率が20%を超えますが、大きくなるとムラができやすく、発電効率は悪いほうに引きずられるので発電量が落ちてしまいます。
安定的に結晶化させるには制作工程のレシピ、ノウハウが必要です。
最終的目標は1メートル四方の大きさですが、今の日本では安定的なものは30センチ四方までです。とはいえ、これを繋ぐことで実用に耐える太陽電地になります。

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この記事を書いた人

小川純

小川純編集・ライター

週刊、月刊誌の編集記者、出版社勤務を経て現職。経済・事件・ビジネス、またファイナンシャルプランナーの知識を生かし、年金や保険、企業レポートなど幅広いジャンルで編集ライターとして雑誌などでの執筆活動。実用書、個人の自分史などの書籍編集を行っている。

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