小売業、不動産業の倒産が35%以上の増加
帝国データバンクが5月12日に発表した「全国企業倒産集計2025年4月報」によると、2025年4月の企業倒産件数(負債1000万円以上の法的整理)は826件となり、前年同月の760件から8.7%増加した。
この増加は36カ月連続で前年を上回り、戦後最長記録を更新し続けている。また、4月としては11年ぶりに800件を超える高い水準となった。
負債総額は1005億4900万円で、前年同月の946億円から6.3%増加し、2カ月ぶりに前年を上回った。

地域別では、9地域中7地域で前年を上回った。最も件数が多かったのは『関東』で292件(前年同月290件、0.7%増)となり、2カ月ぶりに増加した。『近畿』は218件(同181件、20.4%増)で、31カ月連続で前年を上回った。最も増加率が高かったのは『四国』で20件(同11件、81.8%増)となり、『北海道』は24件(同18件、33.3%増)で続いた。
業種別では、7業種中5業種で前年を上回っている。
特に『サービス業』は215件(前年同月208件、3.4%増)で最も多く、4カ月連続で前年を上回った。次いで『小売業』は195件(同143件、36.4%増)で、4月としては2000年以降で最多となった。
『不動産業』は26件(同19件、36.8%増)で、こちらは5カ月連続で前年を上回った。『建設業』は156件(同135件、15.6%増)で、こちらは3カ月ぶりに前年を上回った。

倒産の主因別では、「販売不振」が690件(前年同月642件、7.5%増)で最も多く、全体の83.5%を占めた。「売掛金回収難」(同7件→3件、57.1%減)、「業界不振」(同4件→5件、25.0%増)などを含めた『不況型倒産』は698件(同655件、6.6%増)となり、36カ月連続で前年を上回った。
倒産態様別では、『清算型』倒産が803件(前年同月739件、8.7%増)で、全体の97.2%を占めた。このうち「破産」は788件(同713件、10.5%増)で、8カ月連続で前年を上回った。『再生型』倒産は23件(同21件、9.5%増)で、2カ月ぶりに前年を上回っている。