1945年新潟生まれ。
中央大学商学部卒業後、東京重機工業株式会社(現株式会社ジューキ)入社。退社後は、企業の倒産現場に数多く立会い、企業の倒産回避のノウハウをマスター。1995年設立のTSKプランニングで、コンサルタントとして経営危機に直面した企業の倒産回避および事業再生に関するコンサルティングを手掛けている。
著書に『隣の会社「なぜ?」潰れないのか』『脱常識のしたたか社長論。』『日本が潰してはいけない会社』など多数。
「楽しい日本」にするために備蓄米を放出
2月21日、ついに江藤拓農水相が政府備蓄米の放出を発表しました。この備蓄米が市場に出回るのは3月下旬あたりといわれています。
そこで改めてこのコメの問題について考えていきたいと思います。
このコラムでは、24年5月に農家倒産について取り上げており、その後、コメの価格がじわじわと上がってきました。そして、農水相は、新米が出回れば、自然と需給バランスが取れて米価は安定すると発表していました。
たしかに秋になると一時的にコメの価格は下がりましたが、年が明けると再びコメの価格は上昇に転じ、価格高騰は続いています。新米が出たから下がるどころか、逆に上がってしまっています。こうした状況を見ると、政府は農業政策をまじめにやっているのかと疑問がわいてきます。

年明けから開かれた第217回国会で石破茂首相の施政演説では、これまでやってきた地方創生を核に「楽しい日本を実現する」と演説しています。「楽しい日本」というフレーズはどうなのかと話題になりましたが、これで日本の農家が守られるのかがとても心配です。
私は新潟県出身で、新潟の農家の現状を知っているのですが、「コメの価格は低く抑えられ、一反からできる米では、生活できなくなっている状態がずっと続いています。このままでどうなってしまうのか分かりません」という不安をコメ農家の皆さんから聞いていました。
このコメ問題を解決できない限り、石破首相がいう「楽しい日本」というのは、どこの国の話だという感想しか持てません。
とくに石破首相は、「地方創生」を強く打ち出している政治家で、この人がこの農業問題に真剣に取り組まない限り、口先だけといわれても仕方がないでしょう。