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10月の企業倒産965件で今年最多 物価高倒産が拡大、サービス業・医療・不動産で急増

物価高の影響も鮮明になり、人手不足が経営を圧迫。10月は企業の経営破たんが、医療や小売、建設、不動産、経営コンサルなど幅広い業種で増え、年間1万件超えが現実味を帯びてきている

Gold beans.編集部2025/12/01

10月の企業倒産965件で今年最多 物価高倒産が拡大、サービス業・医療・不動産で急増
  • 10月は倒産が965件に達し、年内1万件超が視野に
  • 物価高による負担が重なり、サービス・医療などで件数が膨らむ
  • 人手不足やゼロゼロ後など多様な要因が重なり、動向は複雑に
  • AIに取って代われる? 経営コンサル業界に淘汰の波

【2025年10月倒産動向】965件・5カ月連続増加

帝国データバンクの調査によると、2025年10月の全国企業倒産は965件となり、前年同月比4.3%増と5カ月連続で前年を上回った。10月としては2009年以来の高水準。負債総額は1423億2200万円で前年同月比18.9%減と2カ月連続で前年を下回った。最大の倒産は、太陽光発電設備の設置工事を行っていた総合建設業「中川企画建設㈱」の222億2200万円である。
1~10月累計は8584件で前年同期比4.4%増と増加傾向が続いており、12年ぶりに年間1万件超えが見込まれる。

業種別では、7業種中4業種が前年同月を上回った。サービス業は243件と最も多く、全体の25.2%を占めた。
最も高い増加率を示したのは「不動産業」で、前年同月比35.7%増(28件→38件)と5カ月連続で前年を上回り、過去10年で最多となった。
小売業は210件で11.7%増。10月としては2008年以来17年ぶりの200件超となり、飲食料品小売(19件→39件)が大幅に増加した。

帝国データバンク「全国企業倒産集計 全国企業倒産集計」より 

業種を細かくみると、「サービス業」では「自動車整備・駐車場、修理」(前年同月1件→6件)や「医療」(同12件→19件)。「小売業」では、人件費や原材料費の高騰などにより「飲食料品小売」(同19件→39件)。建設業は183件、製造業は119件、卸売業99件、運輸・通信業40件。
「自動車整備・駐車場、修理」(同1件→6件)や「医療」(同12件→19件)などで増加が目立っている。

主因別では、「販売不振」が784件(前年752件)で4.3%増、10月としては過去10年で最多となり、全体の81.2%を占めた。「不良債権の累積」は3件で前年を上回り、輸出不振・売掛金回収難・業界不振を含む不況型倒産は794件と全体の82.3%を占めた。
このほか、「経営者の病気、死亡」は37件と前年同月に次ぐ多さで、「その他の経営計画の失敗」は24件、「放漫経営」は18件、「設備投資の失敗」は5件となっている。

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