「ポスト岸田」自民党総裁選挙――官僚の嫌われ者は誰だ?

岸田文雄首相が突然の総裁選不出馬を表明によってはじまった自民党総裁選挙。派閥がなくなったことから続々と候補者が名乗りを上げている。そんな総裁選挙だが、次は誰かで気が気でないが官僚たちだ。そんな官僚たちがなってほしくないと思っている候補者、嫌われ者は誰か?

Gold beans.編集部2024/08/31

自由民主党の次の総裁は誰になるのか

それぞれが抱えるウィークポイント

ここまで嫌われる理由をあげてきたが、それぞれの候補者にはウィークポイントがある。

河野氏については、「麻生元首相が本音のところでは河野氏を本当によいと思っていない」(自民党関係者)という。河野氏本人が総裁選に出たいといえば、「頑張ればっ」という感じらしい。本当のところ本気で河野氏を担ごうというように見えない」というわけ。
実際、8月27日に開かれた麻生派の研修会で「河野氏を同志として応援したい」と表明したものの、「『一致結束(箱)弁当』みたいに縛り上げるつもりはない」と実質的な自主投票となっている。これは麻生派内に反河野が一定数あるという裏返しだろう。

女性初の総理として名前の上がった上川氏はというと、東大、三菱総研、ハーバード大学ケネディ・スクール留学もあってアメリカ人脈が広く、能力は高いと評判だ。また、法務相を歴任し死刑執行命令を16人に出すという腹の据わり方がすごいという評価もある。
しかし「地元・静岡の評判が悪いんですよね。全然人気がない。新幹線で揉めた静岡県知事選挙では、県連会長としてリーダー的な立場にあるのに自民党候補を落選させてしまった」(自民党関係者)という。加えて、同じ旧宏池会からは林芳正官房長官も出馬予定で、そうした面でも分が悪いという。

茂木氏はとにかく官僚の評判が悪く、人望がないのが最大のウィークポイント。「総理になる人の周りには官僚たちがあふれいるものですが、、今の自民党の幹事長室は本当に静か」(自民党関係者)だという。これに加えて“経世会の大番頭”として経世会を支え続け、参院のドンとして君臨してきた故・青木幹雄元官房長官が「茂木は絶対に総理にしない」と言っていたことが遺言のようになっていることもネックになっていると指摘する向きもある。

小泉進次郎氏については、「父親の純一郎元総理が、進次郎本人や周辺の官僚に50過ぎまで絶対に総理になっていかんと教訓のように言い渡している」(自民党関係者)という。それを破って進次郎氏は9月6日に出馬表明をするというが、果たして……。

今回の総裁選挙で一躍名前を売ったのがコバホークこと小林鷹之前経済安全保障相である。
小林氏といえば「開成中・高から東大法学部を経て、旧大蔵省に入省。ハーバード大ケネディ行政大学院にも留学し、公共政策学修士を取得」とその経歴はピカピカの官僚派若手代議士である。そんなわけで二階元幹事長がいち早く目をつけ可愛がり、将来は必ず総理大臣にと考えていたという。
しかし、「今回の総裁選では旧安倍派の若手と組んで出馬したため、二階があまり良い顔をしていない」(自民党関係者)という。とはいえ、政治家の資質には“機を見るに敏”というものも重要で、次の選挙に出ないという二階氏といち早く手を切ったとも言えなくもないかもしれない。

■自民党総裁選のしくみ
選挙公示:9月12日
投開票日:9月27日

【投票方式】
国会議員票:367票(議員1人1票)
党員票  :367票(約110万人をドント方式で集計)
合計737票の過半数を獲得した候補が当選

過半数を獲得できなかった場合は1位と2位で決選投票
国会議員票 :367票(議員1人1票)
都道府県連票:47票
合計414票で多数を獲得した候補が当選。

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