一般社団法人全国空き家流通促進機構代表理事
1978年神奈川県生まれ。大学卒業後大手不不動産会社に勤務したのち、買取再販売メインとする不動産会社に転職。その後、34歳で株式会社リライトを設立。創業以来、赤字の依頼でも地方まで出かけ、近隣住民や役所などと交渉。売れない困った不動産売却のノウハウを身につけてきた。また、神奈川県横浜市神奈川区で空き家を有志とともにで再生し、家族食堂など他世代交流拠点「子安の丘みんなの家」を運営している。
著書に『売れない不動産はない!』(叶舎刊)『困った不動産を高く売る裏ワザ』(ぱる出版刊)『不動産をうま~く処理する!とっておき11の方法』(ファストブック刊)がある。
定年後の「広すぎる家」問題 住み替えを阻む2つの壁
子どもが独立した後も広い家に住み続けることで、掃除や庭の手入れなど維持管理の負担は年々重くなります。加えて、若い頃には気にならなかった「駅からの距離」も、高齢になるにつれて暮らしの不便さとして感じられるようになります。
そんな不満から、住み替えを実行に移そうとすると大きな壁が立ちはだかります。
1つは「資金」、2つ目は「売り先行か買い先行か」という順番の問題です。特に高齢の場合、住宅ローンの返済期間が短くなるため、金融機関からの融資を受けにくいのが現実です。
今回ご紹介するのは、この2つの壁を乗り越えて住み替えを実現した、66歳の相談者の事例です。

広すぎて管理できない自宅、駅近のコンパクトな戸建に住み替えたい
相談者は、ファイナンシャルプランナーの紹介で当社にご相談いただきました。相談内容と物件の状況は以下の通りです。
【売却物件の概要】
・所在:神奈川県茅ヶ崎市
・駅から徒歩20分、海にも近い人気エリア
・土地面積483㎡、建物面積210㎡(築45年)
・問題点:広すぎて日常的な管理が行き届かない状態
・境界標が一部不明
・既存の借入なし
【住み替えの希望と条件】
・便利な場所にあるコンパクトな戸建への住み替え
・年齢が66歳のため、住宅ローンの利用が困難
・自己資金は使わず、売却代金で費用を賄いたい
・売却後に一定額を手元に残したい
土地の価値はあるものの、「年齢的に融資が難しい」「自己資金は使いたくない」という条件が重なり、一般的な住み替え方法では解決が難しいケースでした。
査定と資金計画 1億円超の査定額と「先行購入」という選択
当社ではまず物件調査と価格査定を実施しました。
周辺の取引事例や売出し物件と比較した結果、査定額は1億円超。最低敷地面積100㎡の地域のため4区画への分割も可能で、一般のエンドユーザーよりも不動産買取会社のほうが高値をつけると予想されました。
次に「売り先行」か「買い先行」かを検討しました。
相談者の意向は「住み替えが先にあっての買い替え」。希望するエリアの戸建の総額は7000~7500万円程度と予想されましたが、66歳では住宅ローンの返済期間が極端に短くなり、現実的ではありません。万が一、思った金額で売却できなかった場合、想定外の借入れだけが残ってしまうリスクもありました。










