厳しさは相変わらず高齢者の賃貸住宅の入居
空き家を抱え込んでしまった場合、その対応策で思いつくのは「貸す」か「売る」ということではないだろうか。
人に貸す、賃貸物件にするには、家自体がしっかりしたもので、そのままで住めるぐらいの状態でなくては厳しい。加えて、それまで暮らしていた人の家具や家電、衣服、食器などといったいわゆる残置物の処理は必須で、できればキッチン、風呂、トイレ、壁紙などのリフォームは必要になるだろう。
売却するにしても、賃貸と同様に残置物処理や建物の状況によっては取り壊しが必要になってくることもある。こうしたことが面倒であれば、現状渡しにして売却価格から解体費用、残置物処理の費用を差し引いてもらうということもできる。ただ、売却額によっては、手元に入ってきたお金が数十万なんていったこともめずらしい話ではない。場合によっては、解体費用のほうが多くなるということもある。
いずれにしても、空き家を処分するには超えなければならないハードルがいくつもある。
日本中に空き家が増える一方で、さまざまな理由によって住む家を探すのに苦労してる人もいる。
具体的には、高齢者、低所得者、障害者、子育て世帯といった住宅確保要配慮者(以下=要配慮者)という人たちだ。要配慮者は賃貸住宅に入居するのが難しく、そこで国は2017年に改正住宅セーフティネット法(住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律)を作り、本格的なサポートに乗り出している。
しかしながら、高齢者、とくに単身の高齢者が賃貸住宅に入居するのは依然として厳しい状況が続いている。