「ペット可物件」探しの苦労(マンション購入編)

犬2匹と暮らすマンションを探していた著者。気に入ったマンションを見つけ、購入することを決めた。しかし、契約の段階でチラシにあった「ペット可」の文字がなくなって……

山本葉子2023/11/22

「ペット可物件」探しの苦労(マンション購入編)
  • 重要事項説明書には「ペット可」の文言がないことに気づいた著者
  • 売買契約書に「ペット可」と書き入れるよう交渉
  • 無事、マンションを購入したのだが……

やっと見つけたお気に入りの「ペット可」物件

問い合わせて初期費用を教えてもらうと、現在住んでる賃貸マンションの更新費用とそれほど変わりません。月々のローンも家賃なみ。
「マンション購入、アリかも」
と、本気で検討を始めました。

内見させてもらったマンションは、小さな一部屋でトイレと一緒のユニットバスで、ガスコンロだけどひと口で、洗濯機置き場はベランダで、おまけに唯一の壁が(多分北側斜線で)屋根裏部屋のように斜めで棚も置けません。

でも、物件そのものは気に入りました。

部屋に比べて笑ってしまうほど広いルーフバルコニーからは、高層ビル群がまっすぐ見えて、夜になれば東京の夜景も本当に綺麗。この場所で愛犬のポメラニアンをいっぱい遊ばせてあげられる!
購入を決意しました。

トントン拍子に進む売買の話、しかし……

犬を飼える物件は本当に希少です。ただ賃貸でなく分譲だし、チラシにも「ペット可」とちゃんと書いてあって、不動産会社の担当さん達も「ポメラニアン2匹ですか。賑やかで楽しそうですねー」と。

すごいスピードで書類が整い、地主でそのマンションのオーナーさんと不動産会社さんと私で契約を締結する日が来ました。

ご挨拶もそこそこに、物件の重要事項説明を不動産の担当さんが読み上げます。
それを聞きながら、最後まで行かないうちに不安になってきました。
いつまで聞いていていても、ペット飼育に関する記載がないのです。

そこで私は担当さんに質問しました。
私「ペット可の物件ですよね?」
担当「はい」
私「契約書にその文言がないのですが……」
担当「えー、了解事項ということで」
私「誰が了解してくれているんですか?」
担当「オーナーさんが」

1 2

この記事を書いた人

山本葉子

山本葉子NPO法人東京キャットガーディアン 代表

東京都生まれ。2008年猫カフェスペースを設けた開放型シェルター(保護猫カフェ)を立ち上げ、2019年末までに7000頭以上の猫を里親に譲渡。住民が猫の預かりボランティアをする「猫付きマンション」「猫付きシェアハウス」を考案。「足りないのは愛情ではなくシステム」をモットーに保護猫活動を行っている。著書に『猫を助ける仕事』(光文社新書)などがある。

  • WEB

※このサイトは「事業再構築補助金」を活用しています