1985年8月生まれ。大阪府出身。
滋賀県成安造形大学住環境デザイン科を卒業後、京都で京町家の再生活用などに携わる。
結婚出産を機に上京し今は茅ヶ崎で男の子二人、黒猫一匹と暮らすシングルマザー。
2014年フィールドガレージ入社、2015年「東京銭湯-TOKYOSENTO-」で銭湯ライターとして活動。2018年7月「東京銭湯ふ動産」を立ち上げる。
東京の銭湯はピーク時から9割が廃業
「銭湯」という空間は、昔の日本人にとってはあって当然の空間でした。
例えば、江戸時代の式亭三馬が書いた『浮世風呂』は滑稽本として人気を博していましたし、昭和では『時間ですよ』という銭湯を舞台にしたテレビドラマが30%以上もの視聴率を誇っていました。どちらも人情もので、そこに集まる人たちの生活風景が描かれたものでした。
生活と密着していたそんな銭湯ですが、令和の今、その銭湯が次々と姿を消しています。東京商工リサーチによると、1968年のピーク時には1万7999軒あった銭湯が、コロナ禍の2022年には1865軒と、およそ90%が廃業してしまっています。
廃業していく銭湯を目の当たりにし、銭湯が大好きな私は、自分にも何かできないかとの思いで2018年に「東京銭湯ふ動産」という風呂なしの賃貸物件を紹介する不動産ポータルサイトを立ち上げました。
「東京銭湯ふ動産」のスローガンは「風呂がないんじゃない、銭湯があるんだ!」というものです。自室にお風呂のない風呂なし物件、あるいはシャワーのみの物件、銭湯の上に賃貸住宅がある物件など、銭湯のある生活が実現しやすそうな物件を紹介し、町の銭湯の常連を一人でも増やすことを目標に活動をしています。
ここでは物件紹介だけではなく、「銭湯×物件」という銭湯のある暮らし方をご案内していけたらと思っています。
一口に銭湯といってもそれぞれの銭湯には個性があり、その町の風情と相まってどこも個性的です。そんな町の様子、銭湯、物件について紹介していきます。