地方、関西圏い高い高齢者に対する入居の拒否感
なかなか減らない単身高齢者への入居拒否
65歳以上の高齢になってから賃貸住宅を借りようとしても借りにくいということが多い。
実際、日管協総合研究所の第26回賃貸住宅景況感調査(2021年4月~2022年3月)によると、首都圏の賃貸住宅オーナーは高齢者の入居に対する拒否感を12.3%が持っており、関西圏は52.9%、首都圏・関西圏をのぞくエリアで56.6%と以前50%を超えるという調査結果が出されている。
その理由は、1)金銭面のリスクが高い、2)健康面でのリスクが高い、3)連帯保証人を立てられない、というのが大きなものだ。しかし、金銭的に余裕がある人でも断られることもあり、介護が必要になったり、認知症、孤独死など万一のことがあったときへの対応が最も懸念されているようだ。
高齢者が入居できる3つの住居タイプ
こうした民間の賃貸住宅のほかに高老人ホームや介護施設と同じように高齢者向けの住宅は大きく分けて「シルバーハウジング」「サービス付き高齢者住宅」「セーフティーネット住宅」という3つがある。
いずれも入居にあたっての年齢制限や最低限の広さ、設備の基準があるが、一般の賃貸住宅のような「高齢だから」という理由で断られることはない。
シルバーハウジングとサ高住は、入居の基準が60歳以上(物件によっては65歳以上)という年齢の制限があり、バリアフリーになっている。一方、セーフティーネット住宅は「住宅確保要配慮者」というのが入居対象者の基準で、高齢者だけでなく、高齢者世帯、低所得者、子育て世帯、障害者世帯、そのほか国交省が政令で定める人と多岐にわたる。有り体にいうと、賃貸住宅に入居しづらい何らかの理由がある人が対象になっている。なので、高齢者を対象としていなければ、必ずしもバリアフリーにはなっていない。