実録「空き家処分」(2)――「空き家」の補助金は使える制度か?

山梨県内に特徴的な4軒の空き家を抱えるAさんの空き家処分体験記の第2弾。山梨県は空き家処分のために補助金などさまざまな支援策を打ち出している。しかし、それを使うとすると……実際に空き家を抱えた当事者と自治体の対応のギャップとは?

Gold beans.編集部2023/12/11

実録「空き家処分」(2)――「空き家」の補助金は使える制度か?
  • 自治体が空き家処分サポートは業者への丸投げ
  • 空き家の補助金、助成金は使えそうで使えないという現実
  • 47都道府県で空き家対策に妙案はない

ポストに放り込まれるチラシの変化

山梨県出身の秋山寬次さん(仮名・59歳)は、県内に自身の実家、祖母の家、母親が暮らしていたマンション、健在中ではあるが秋山さんが介護に訪れている叔母の家と3軒の空き家と1つの空室を甲府市などに抱えている。そのためこの空き家、空室の管理のため忙しい中、定期的に山梨県内を回っている。

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そんな中で気づいたのは、以前はこれらの家の郵便ポストには「一戸建て買います」「マンション買います」といった不動産業者からのチラシが入っていたものが、いつの間にか自治体からの空き家の補助金などのチラシばかりになっていたことだった。

たとえば、山梨県からのチラシは「AKIYA活用」と大きく書かれている。
「空き家を『AKIYA』とローマ字にしておしゃれっぽく見せても、空き家がおしゃれに見えるわけじゃないですからね」と秋山さんは笑う。

チラシには「その空き家募集中!」「その改修費を補助!」「その活用をサポート!」といった大きな文字で記され、空き家を抱える老夫婦なのだろうが「思い出の場所だから、いっしょに活かしてみませんか」と肩を寄せ合う笑顔の写真が掲載されている。
通信販売の「青春の思いでが蘇るCD30枚セット」のようなコピーが書かれているが、そんなチラシに騙されてはいけない。

役所の出すチラシといえども、内容は悪徳業者以下だ」と秋山さんはいう。
県のチラシには、「山梨県は空き家率が日本一。だからこそ、その空き家をいかさなければ… もったいない!」と記され、活用例として、「例えば…」と但し書きをしたうえで、民泊、飲食店、コミュニティスペース、福祉施設などなどと書いてある。それを見ただけなら空き家も有効活用できそうだが、これらの事業を行うのは県が丸投げした民間業者だという。

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