不動産など資本市場の分析と世代会計、文化財保護に高い関心持ち、執筆活動を行っている。『不動産絶望未来』『2030年不動産の未来と最高の選び方・買い方を全部1冊にまとめてみた』(いずれも東洋経済新報社)などペンネーム・共著含め著書多数。
(著者連絡先)windomaezaki@yahoo.co.jp
これから5年、羽田空港を中心とした「注目!不動産エリア」。「京急空港線」に続く第2弾は「東急池上線」だ。タワマン中心の開発が進む品川区と川崎市の間にある大田区、東急池上線沿線の可能性を探る。
山下努2025/04/16
日本経済のグローバルの比重を見ると、1995年の17.6%をピークに年々減少し、今は3%台になっている。
これは見逃されている点だが、じつはグローバル比重が落ちれば落ちるほど世界との連結が重要となり、空港は経済の玄関口としてより重要度が増す。
日本のGNPは2025年にもインドに抜かれるとされるが、すでにダボス会議を開催するIMDの評価では、いくつかの競争力はタイなどアジア各国に劣後し、インドネシアにも抜かれている。また、一人あたりのGFDはシンガポール、韓国、台湾に抜かれ、ブルネイや中東富裕国には遠く及ばない。
日本斜陽化の中でなぜ、羽田空港の重要度が高くなるのか、それは日本の後進国化(通貨安)で、訪日客が急増するからにほかならない。そして、日本における玄関先(居住地、居留地)として、空港近くが、住宅投資にあたって今後注目され、日本経済の地盤沈下が進む中で羽田エリアの重要度が増すというわけだ。
そこで京急空港線と並んで、羽田エリアの住宅投資の狙い目になるのが東急池上線沿線である。
東急池上線はJR蒲田駅とJR五反田駅を起点に東西を⊂字型に結ぶ住宅路線。沿線には池上本門寺、洗足池といった名所旧跡や戸越銀座など都内でも有名な商店街があり、住みやすい地域が多い。
また、東急池上線の外側には田園調布、自由が丘といった高級住宅地や人気エリアを結ぶ東急東横線やタワマンが林立する武蔵小杉と目黒を結ぶ東急目黒線が通っており、この2路線と比べると、東急池上線は高架部分が少ないため、商店街と直結し人気が高い。途中で池上線も乗り換えで主要鉄道に繋がる。
羽田空港にアクセスするには、京急蒲田駅とJR蒲田駅は800mほど離れている点ネックになっていたが、これも蒲田駅と京急蒲田駅を結ぶ、新路線「新空港線(通称・蒲蒲線)」を地下に新設する計画が4月に発表された。
しかし、これに関連した工事で京急蒲田駅付近の高架化事業で、京急の高架線路が「万里の長城」のようになって街に圧迫感を与えてしまっている。また、JRと京急の両蒲田駅の間は、地上で魅力的な地元商店街でつながれているのだが、蒲蒲線でつながることで両駅間を移動する人が減ってしまい、商店街の賑わいがなくなるのではと懸念する声もある。
ただ、この路線の開通によって東急も京急空港線を経由して羽田空港へつながる。
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山下努経済アナリスト
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