マクロ経済の潮流から日々の暮らしに寄り添うお金の話まで――複眼的な視点で「生活」と「ファイナンス」を読み解く実践的チーム。メンバーは、生活者のリアルを綴るライター、現場感覚を持つファイナンシャルプランナー、そして個人に最も近い立場でライフリスクと向き合う生命保険・損害保険の営業パーソン。異なる立場と経験から、単なる数字や制度にとどまらない“生きた情報”を発信している。
家賃上昇が変えた「住む場所」の選択
マンション価格の高騰は、投資家だけでなく居住者にも影響を与えている。
都心部では賃貸家賃の上昇が続き、特にファミリー層にとって住居費の負担は重くなった。
こうした状況を受け、生活拠点を都心から埼玉県や千葉県などの近郊エリアへ移す動きが目立つようになっている。
人口移動の統計を見ても、首都圏全体では転入超過が続く一方、埼玉県や千葉県が転入超過地域として上位に入っており、「都心に近い郊外」へのシフトが進んでいることがうかがえる。
ファミリー層が選ぶのは「広さと家賃のバランス」
郊外や地方で需要を集めているのが、戸建て住宅だ。
同じ家賃水準で比較した場合、都心のマンションよりも、郊外の戸建て住宅の方が専有面積を確保しやすい。70㎡前後の戸建てに、8万円前後の家賃で住める例もあり、子育て世帯を中心に支持を集めている。
この居住ニーズの変化は、賃貸市場を通じて不動産投資の方向性にも影響を及ぼした。
需要が見込めるのは、都心の小型マンションではなく、郊外や地方にある戸建て住宅であるという認識が、投資家の間で広がっている。
こうした流れの中で注目されているのが、築年数の古い戸建て住宅への投資だ。
築古戸建は、取得価格が低く、自己資金を抑えやすい。フリマアプリ「ポルティ空き家バンク」を運営するポルティ調査によれば、築古戸建投資家の約30%が自己資金300万円未満で投資を始めている。
想定利回りについても、利回り10%超を目指す投資家が多く、価格高騰が進んだマンション投資と比べて、収益性を確保しやすい点が評価されている。

不動産投資は以前から本業を持つ個人が取り組むケースが多かったが、近年は「最初から無理のない規模で運用する」投資スタイルがより明確になってきた。その受け皿となっているのが、築古戸建投資である。










