1977年横浜市生まれ。2001年上智大学文学部哲学科卒。
百貨店、税理士事務所、経営コンサルティング会社への勤務を経て、2013年FPオフィス ケセラセラ横浜を開設。信用取引や商品先物取引、投資信託、FXなど投資という名の付くものは すべて経験し、その中で自身に一番合った大家業を2007年にスタート。 不動産投資に関するアドバイスを中心とした ファイナンシャルプランナーとして活動中.。著作に『FP大家だけが知っている資産形成に中古ワンルームを選ぶと失敗しない理由』(合同フォレスト)、『老後が不安……。貯金と年金で大丈夫ですか? インフレ到来で「貯めているだけ」は危険』(現代書林)がある。エフエム戸塚「戸塚井戸端会議。」レギュラー出演中。
マンション投資は現場を見なければ始まらない
マンション投資のご相談を受けた際、「事前に物件を必ず見てください」とお話ししています。
しかし、「入居中の部屋だと中が見られないから、物件を見に現地に足を運んでもあまり意味がないんじゃないですか」おっしゃる方がいます。
最初に私なりの結論をお伝えすると、「部屋の中を見られなくても、契約前には現地を見るのが良い」と私は考えています。
その物件がある街の様子、駅界隈の雰囲気などが分かっている。あるいは、物件を勧めてくれた不動産会社の担当者に全幅の信頼を寄せているならば、現地を見ないまま購入するというのも、ありだとは思います。
とはいえ、私は、たとえ信頼している不動産会社の担当者からの紹介であっても、現地は必ず見ています。
もちろん、空室の場合は、部屋の中も見せてもらうようにしています。
それは「事件は会議室で起きているのではない、現場で起きているんだ!」ということです。
現地確認のチェックポイント
不動産投資という言葉通り、「投資」という観点からだけで考えると、利回りのような机上の計算がポイントになってきます。また、賃貸経営という視点で考えても、資金効率面などを踏まえれば、利回りも勘案するポイントの1つにはなってきます。
ただ、それ以上に大切なのは「入居してくれる方の気持ちに寄り添うこと」です。
不動産投資、賃貸経営と言い方が変わっても、その部屋を借りて住んでいただく入居者がいて初めて成り立つものです。
つまり、いくら数字上の利回りなどが良い部屋だったとしても、それが長続きしなければ、失敗につながりかねません。
だからこそ、物件のある現地に実際に足を運び、自分自身の五感を使って体感することこそが、失敗しない物件選びの第一歩だと私は考えています。
具体的には、
・駅から物件までの道なりはどんな感じなのか?
・ここで暮らす場合に、生活に便利なスーパーやコンビニなどは近くにあるのか?
・夜、ひとりで歩いても、怖さを感じたりしないか?
・物件のエントランスに入ったとき、どんな印象を感じるか?
・階段、エレベーター、廊下といった共有スペースの清掃は行き届いて、管理状態は良いのか?
など実際に行ってみなければわからないことはたくさんあります。そして「あなた自身が、その物件に住むとしたら?」という意識を持ちながら、現地を実際に見た肌感覚が必要だ、と私は考えています。