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不動産投資での節税の効果は「期間限定」、それよりも重要なこと

「不動産投資のメリットとして、「節税効果がある」と言われるが、その効果は限定的だという。そこで節税よりも不動産投資のメリットを大きくする方法とは。

齋藤岳志2023/09/21

不動産投資での節税の効果は「期間限定」、それよりも重要なこと
  • 不動産投資による節税効果は年数が限られる
  • 黒字化で融資を受けやすくして複数物件に投資
  • 所得控除ができる制度を最大限活用する節税

「不動産投資」節税の勘違い

不動産投資のメリットの1つとして、「節税効果がある」ということが言われます。

不動産投資を節税目的で考える場合、1つは「所得税・住民税」の節税、もう1つは「相続税」の節税という2つがあります。

相談の多い「所得税・住民税」の節税と失敗しにくい不動産投資についてお話をしていこうと思います。

最初に結論をいってしまうと、私は「不動産投資を、節税主目的にするのは良くない」と思っています。

もちろん、結果として節税になったというのであれば、それもありだと思いますが、できたとしても、不動産投資による所得税・住民税は「期間限定」のものだと捉えておくとよいでしょう。

物件を購入した初年度は、登記費用やローンの手数料などがかかり、家賃収入よりも、経費となる支出が多くなる可能性が高くなります。

そして、2年目以降の数年間は、購入物件の築年数、どんな構造の物件を購入するかによって変わってきますが、建物の経費に相当する「減価償却費」を経費に計上することができます。

その結果、所得税や住民税の節税につながる可能性があるのですが、鉄筋コンクリートのマンションであれば償却年数は47年、木造アパートの償却年数は22年というのが新築で購入した時の年数です。中古物件では減価償却で経費計上できる年数が短くなります。

そのため、不動産投資での節税は「期間限定」ということになり、これをきちんと把握していないと「こんなはずじゃなかった……」のようなことになりかねず、失敗したという思いにつながってしまいます。

私の不動産投資に対する基本スタイルは「利益を出して、税金を納めてなんぼ」という考えで、節税ということに関しては、無理なくやれることはしていますが、積極的にはしていません。

「不動産投資」を拡大するなら黒字化は必須

それには別に大きな理由があります。
それは「お金を借りたいときに、借りやすくしておくため」です。

「不動産投資」といっても、大家業であって人に部屋を貸して、その代わりに家賃をいただく経営でもあります。また、不動産投資先が1軒なのか、複数になるかによって違いはありますが、複数の物件に投資をするのであれば良い物件、良い部屋が見つかった時に手元に現金があればいいですが、手元に現金がなければ、金融機関からの借入が必要になります。

不動産投資をスタートして、確定申告書の「不動産所得」に数字が入るようになると、借入するときには、確定申告書の提出が求められてきます。

会社勤めの方は、安定した給与収入があるということで、例えば節税して赤字があっても、一定金額までは、給与収入を見て、金融機関は融資してくれます。

ただ、不動産所得がずっと赤字だと、ゆくゆくは「不動産賃貸業が赤字」とみなされてしまい、給与収入だけでは融資をしてくれなくなります。

会社役員や経営者、私のような個人事業主は、会社勤めの安定した給与収入がありません。

なので、本業がかなり儲かっていて、不動産は意図的に赤字にして、全体で節税を考えたい、という方でない限り、本業も不動産所得も、黒字にしておくことが、不動産投資では必要条件だと私は考えています。

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この記事を書いた人

齋藤岳志

齋藤岳志CFP ・FPオフィス ケセラセラ横浜代表

1977年横浜市生まれ。2001年上智大学文学部哲学科卒。
百貨店、税理士事務所、経営コンサルティング会社への勤務を経て、2013年FPオフィス ケセラセラ横浜を開設。信用取引や商品先物取引、投資信託、FXなど投資という名の付くものは すべて経験し、その中で自身に一番合った大家業を2007年にスタート。 不動産投資に関するアドバイスを中心とした ファイナンシャルプランナーとして活動中.。著作に『FP大家だけが知っている資産形成に中古ワンルームを選ぶと失敗しない理由』(合同フォレスト)、『老後が不安……。貯金と年金で大丈夫ですか? インフレ到来で「貯めているだけ」は危険』(現代書林)がある。エフエム戸塚「戸塚井戸端会議。」レギュラー出演中。

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