不動産投資での節税の効果は「期間限定」、それよりも重要なこと

「不動産投資のメリットとして、「節税効果がある」と言われるが、その効果は限定的だという。そこで節税よりも不動産投資のメリットを大きくする方法とは。

齋藤岳志2023/09/21

黒字にしながら節税効果を得る方法

では、黒字にしながらも、無理なく節税を考える、という私のようなスタンスの場合、どのように節税が可能でしょうか。

具体的な数字では、
売上1000万円/経費400万円であれば、
1000万円-400万円=600万円
で、所得は600万円です。

所得控除が、仮に150万円あれば、
600-150=450万円、
この450万円に所得税や住民税がかかってくるというイメージです。

金融機関でお金を借りるときに見られる「所得」は上記の600万円になります。

そして、税金がかかってくる「課税所得」は上記の450万円のことです。

つまり、この差額150万円にあたる「所得控除」をうまく使いこなせれば「金融機関の評価も保ちながら、節税もできる」ということになります。

そこで「所得控除」の中で、自分でコントロールができて、利用できる制度は以下の3つです。

(1)小規模企業共済 (※会社役員、個人事業主が利用できます)
(2)イデコ(確定拠出年金)
(3)ふるさと納税・寄付

ちなみに、私は上記(1)~(3)は、すべて利用しています。

ふるさと納税や寄付は年によって違いはありますが、(1)~(3)合計すると、毎年100万円強はコンスタントに所得控除として使い、制度を活用しています。

制度を使わなければ、所得税・住民税として支出している分を、「手元にプールできていた=利息」のようなイメージで考えると、資産運用的な観点でも、結構魅力的なリターンになっていると感じています。

不動産投資で節税できる仕組みはあるけれど、期間限定であることを忘れないで頂きたい。

今後、物件を追加で購入することなどを視野に入れているのであれば、黒字にすることを意識して、「所得控除」で節税することを考える。

そんな視点、意識を持ちながら、不動産投資に向き合って頂くことが、節税も視野に入れながら、失敗しない不動産投資につながると、私は考えていまが、あなたは、どう思いますか?

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この記事を書いた人

齋藤岳志

齋藤岳志CFP ・FPオフィス ケセラセラ横浜代表

1977年横浜市生まれ。2001年上智大学文学部哲学科卒。
百貨店、税理士事務所、経営コンサルティング会社への勤務を経て、2013年FPオフィス ケセラセラ横浜を開設。信用取引や商品先物取引、投資信託、FXなど投資という名の付くものは すべて経験し、その中で自身に一番合った大家業を2007年にスタート。 不動産投資に関するアドバイスを中心とした ファイナンシャルプランナーとして活動中.。著作に『FP大家だけが知っている資産形成に中古ワンルームを選ぶと失敗しない理由』(合同フォレスト)、『老後が不安……。貯金と年金で大丈夫ですか? インフレ到来で「貯めているだけ」は危険』(現代書林)がある。エフエム戸塚「戸塚井戸端会議。」レギュラー出演中。

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