マンション投資、部屋の管理は管理会社に任せるか、自分でやるか

マンション投資は、マンションを買ったところから始まる。その部屋の管理をどうするか。1か月あたりの管理費はそれほどでなくても、年間になるとそれなりの金額になるのだが……。

齋藤岳志2024/03/21

マンション投資、部屋の管理は管理会社に任せるか、自分でやるか
  • 勉強や経験なら自分で管理、そうでなければ任せた方がよい
  • 管理会社は、万が一のトラブルの備え
  • 発想の違いで空室リスクを回避できることもある

「餅は餅屋に」というスタンスで

マンション投資は購入すれば終わりというわけでは、その後の管理が必要です。この手間を省きたい場合は、賃貸管理を業者さんに任せることも選択肢の1つです。しかし、管理を任せれば手数料がかかるので、自分でやるという選択もあります。

さて、どっちが良いか。

不動産投資、大家業では、物件の購入は、スタートにすぎません。
購入してから、どのように運営を継続していけるかが大切で、管理についてはスタート前に必ず考えておく必要があります。

実際、これから不動産投資をスタートをはじめられる方から、管理を自分でやるか、管理会社に任せるか、どちらがよいかというご相談をお受けすることがしばしばあります。
私の結論を先にいうと、

「あなたが、自分の勉強や経験のために賃貸管理を経験したいとか、不動産投資、大家業に時間を割くことに抵抗がない、という考えがないのであれば、賃貸管理会社にお願いするほうが良い」

ということです。
実際、私自身は保有している物件のすべてを賃貸管理会社に任せています。
任せするにあたっては、賃貸管理の委託料が必要になります。その委託料は「賃料の5%」とか「3000円」など、会社ごとに違いはあります。これは何をどこまでお願いするかによる違いです。

現在、私が毎月払っている賃貸管理の委託料は、合計で約3万円、年にすれば約36万円で、自分で賃貸管理をすれば、年間約36万円の利益を増やすことができます。
とはいえ、この金額を支払っても、賃貸管理は管理会社に任せしたほうが良いと、私は考えています。

私の好きな言葉の1つに、「餅は餅屋に」があります。
自分の苦手なことは、それを好きで、得意にしている方にお願いする、ということです。自分一人で抱え込んだり、自分で調べてあれこれ思い悩んだりせず、苦手なことには、自分の時間を費やさず、相応の金額を支払っててお願いするほうが、解決が早いと考えているからです。

管理にかかる費用は、もしものときの「保険」

言い方を変えれば、賃貸管理委託料は「保険料」のようなものとも考えています。
私は保険とは「起きる確率は低くても、起きてしまったら自分ひとりで解決できないことをカバーするもの」と捉えています。
自動車保険などは、起きる可能性は低いけれど、万が一事故を起こしてしまったら、そのときに補償する金額は計り知れないリスクになり、それをカバーするためのものが保険です。

賃貸管理に関しても、水漏れや賃料滞納、近隣の部屋の方とのトラブルなど、頻繁に起きるわけではありませんが、起こった時に、どのように解決していけば良いかのノウハウは私にはありません。
自動車保険のように、金銭で計れるものではありませんが、不測の事態が起きたときに、その対処に追われる時間や労力に自分が費やすかもしれないリスクをカバーするために必要な“保険”だと思うのです。

一方、私自身は、物件選びのために、街を見たり、不動産投資の収支の計算など、自分の得意なものに時間や労力に使うことができます。そこで入居者さんとのやりとりや空室時の募集やリフォームに関しては、あまり自分の時間をかけたくない思いがあるので、委託料を払っても、お願いすしているわけです。このスタンスは、2007年にマンション投資を始めた時から変わっていません。

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この記事を書いた人

齋藤岳志

齋藤岳志CFP ・FPオフィス ケセラセラ横浜代表

1977年横浜市生まれ。2001年上智大学文学部哲学科卒。
百貨店、税理士事務所、経営コンサルティング会社への勤務を経て、2013年FPオフィス ケセラセラ横浜を開設。信用取引や商品先物取引、投資信託、FXなど投資という名の付くものは すべて経験し、その中で自身に一番合った大家業を2007年にスタート。 不動産投資に関するアドバイスを中心とした ファイナンシャルプランナーとして活動中.。著作に『FP大家だけが知っている資産形成に中古ワンルームを選ぶと失敗しない理由』(合同フォレスト)、『老後が不安……。貯金と年金で大丈夫ですか? インフレ到来で「貯めているだけ」は危険』(現代書林)がある。エフエム戸塚「戸塚井戸端会議。」レギュラー出演中。

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