1977年横浜市生まれ。2001年上智大学文学部哲学科卒。
百貨店、税理士事務所、経営コンサルティング会社への勤務を経て、2013年FPオフィス ケセラセラ横浜を開設。信用取引や商品先物取引、投資信託、FXなど投資という名の付くものは すべて経験し、その中で自身に一番合った大家業を2007年にスタート。 不動産投資に関するアドバイスを中心とした ファイナンシャルプランナーとして活動中.。著作に『FP大家だけが知っている資産形成に中古ワンルームを選ぶと失敗しない理由』(合同フォレスト)、『老後が不安……。貯金と年金で大丈夫ですか? インフレ到来で「貯めているだけ」は危険』(現代書林)がある。エフエム戸塚「戸塚井戸端会議。」レギュラー出演中。
「簿記3級」はやっぱり役に立つ
「物件購入前に、収支の計算ってすると思うのですが、いまひとつやり方が分からなくて困っています」
と相談されることがあります。
物件選びに関して、周辺環境や現地を見ることも大切ですが、不動産投資といっても、これは賃貸業・大家業という事業で、数字の管理も考えることが失敗しないポイントになります。
そこで、こうした質問を受けたときにおすすめの方法としてお伝えしていることがあります。
それは「簿記」の勉強にチャレンジしてみることです。
もちろん、経理の専門でやるわけではないので3級で十分。興味があれば2級の商業簿記までわかれば申し分ありません。
よく資格と実務は違うといわれることがありますが、簿記は別だと思っています。実際の収支をつかむには損益計算書と貸借対照表のつながりを知ることで、収支計算や資産管理のポイントがわかるようになるからです。
私自身、税理士事務所や経営コンサル会社で、経理や税務の実務経験の出発点は、簿記2級を取得したことがありました。
実務を理解する上でも、簿記を学ぶことは大いに役立ったと感じています。
数字の管理の学びに取り組み、理解を深めたいと思うのであれば、簿記を学ぶことをおススメします。
やっておきたいカンタン収支計算
とはいえ、簿記の学びについてお伝えしても、それを実際に行っている方はごく一部にすぎません。
その理由は、簿記を学ぶことに価値を感じにくいから、実際に行動に結びつける方の方が少ないのが現実のようです。
そこでそんな方のために、月々の数字や収支の管理面で、私が考えていることを2つお伝えします。
1つ目は当然のことですが「毎月の収支はプラスになるかどうか」です。
区分マンションの場合の計算式は以下になります。
賃料-管理費・修繕積立金-賃貸管理手数料-ローンの返済>0
この結果が0より大きければ収入があり、マイナスであれば赤字(持ち出し)ということになります。
ただ、年齢や置かれた状況、完済を早めたいなど明確な理由があってマイナスにしているのであれば、それは考え方次第なので問題はありません。
ただし、私は不動産投資(大家業)の原則、醍醐味、楽しみは毎月定期的に懐にお金が入ってくることにあると考えているので、プラスであることを重視しています。