不動産投資で失敗しない、カンタン収支計算と資産管理法

不動産、マンション投資は買っただけではNG。失敗しないためには「収支計算と資産管理」が必要だ。とはいっても難しく考える必要はない。カンタン収支計算と資産管理の方法。

齋藤岳志2024/01/09

わかりやすい収支を好転させる考え方

この式の中で、一番分かりにくい点は「ローンの返済金額」と思います。

私の場合「金融電卓」というものを愛用していて、すぐに計算ができるのですが、お持ちでない場合は「元利均等返済 シミュレーション」などと検索をしてみて下さい。

金融機関のサイトなど、いろいろと出てくるので無料で試して計算することができます。

例えば、2000万円のローンを金利2%、35年で借りるとします。この場合、毎月の返済金額は「6万6252円」になります

賃料9万円、管理費・修繕積立金1万2000円、賃貸管理手数料3500円の物件を例にした場合は、以下のようになります。

9万円-1万2000円-3500円-6万6252円=8248円

この例では、毎月8248円がプラスの手残りになるので投資としてはOKと判断する、というようなイメージです。

さらに加えて考えることは「どのように手残りを増やすか」です。
自分でコントロールできて1番考えやすい方法は「ローンの返済金額を減らすこと」になります。
上記の例で言えば、6万6252円の返済金額を減らせれば、毎月の手残りも増えます。それを行うためには「返済額軽減型の繰上返済をする」ことが効果的です。

具体的に100万円繰上返済した場合を考えてみましょう。
ローン金額が1900万円になるので、月々の返済額が6万2939円になります。結果、毎月の手残りが3313円増えるので年間3万9756円増えることになります。
言い換えると、返済額軽減型の繰上返済をすることで、約4%の運用ができたことと同じ効果が生まれたとも言えます。

つまり、100万円返済に回して、年4万円手残りが増える=利息がついたようなイメージということです。
イメージしやすいように100万円で例をあげましたが、「利息としての率」は同じなので、仮に1万円であればおよそ400円、10万円であれおよそば4000円の利息がつくわけです。

不動産投資は購入後、ほとんどやることがない、いい意味で手間のかかりにくい資産運用の方法です。そして、最終的な目標としてはにローンのない物件を保有し、家賃収入がそのまま収入にすることでしょう。

その目標に向けて、年率4%以上のリターンが得られるような運用が難しそうであれば、繰上返済も運用の1つと考えて、取り組んでみるのもよいと私は考えています。
以上がキャッシュフローと言われる、お金の流れの面での収支管理についてです。

1 2 3

この記事を書いた人

齋藤岳志

齋藤岳志CFP ・FPオフィス ケセラセラ横浜代表

1977年横浜市生まれ。2001年上智大学文学部哲学科卒。
百貨店、税理士事務所、経営コンサルティング会社への勤務を経て、2013年FPオフィス ケセラセラ横浜を開設。信用取引や商品先物取引、投資信託、FXなど投資という名の付くものは すべて経験し、その中で自身に一番合った大家業を2007年にスタート。 不動産投資に関するアドバイスを中心とした ファイナンシャルプランナーとして活動中.。著作に『FP大家だけが知っている資産形成に中古ワンルームを選ぶと失敗しない理由』(合同フォレスト)、『老後が不安……。貯金と年金で大丈夫ですか? インフレ到来で「貯めているだけ」は危険』(現代書林)がある。エフエム戸塚「戸塚井戸端会議。」レギュラー出演中。

  • WEB

※このサイトは「事業再構築補助金」を活用しています