不動産投資で失敗しない、カンタン収支計算と資産管理法

不動産、マンション投資は買っただけではNG。失敗しないためには「収支計算と資産管理」が必要だ。とはいっても難しく考える必要はない。カンタン収支計算と資産管理の方法。

齋藤岳志2024/01/09

最低限のカンタン資産管理方法

2つ目は「資産と負債のバランスを見ること」です。

これは金融機関から融資を受けて物件を増やしていきたいと考えている方は、最低限知っておきたいことです。

ここで一番大切なことは、「債務超過」になっていないということです。つまり「資産<負債」という状態にならないことが大切です。

負債は、借りているローンの残債なので分かりやすいと思います。
では、資産はどう考えればいいのでしょうか。

私が考える一番シンプルな管理方法は、以下のような計算式で求めます。

預金残高+建物の価格+土地の価格-減価償却費の合計
マンションの減価償却の耐用年数は47年になり、新築から1年ずつ減っていきます)

具体例として築7年、2000万円の区分マンションを購入した場合を考えてみましょう。

最初にこの物件の金額を土地と建物に分ける必要があります。
今回の例では、建物1200万円、土地800万円とします。

建物については、築年数によって減価償却費を毎年の経費として計上するので、当該マンションは築7年なので、40年で毎年の減価償却費を毎年30万円と仮定します。

あなたのお手持ちの預金残高が100万円だとすると、この時の資産金額は、以下のようになります。

100万円+1200万円+800万円-30万円=2070万

負債のローンは、先の例であげた、2000万円を金利2%、35年ローンとして、1年後の残債は約1960万円となります。

結果、このケースでは
資産 2070万円 > 負債 1960万円

となり、資産が負債を上回っている状態になるため、債務超過ではないということがいえます。

この内容をより理解を深めたい場合は、できれば簿記を学ぶことがオススメですが簡易的には以上のような計算式に数値を当てはめて考えてみてください。

そして、
1)毎月のキャッシュフローはプラスになるか
2)資産の金額が負債の金額を上回っているか

という2点のポイントをおさえておくだけでも、失敗しない不動産投資、大家業を運営していくことにつながると私は考えています。

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この記事を書いた人

齋藤岳志

齋藤岳志CFP ・FPオフィス ケセラセラ横浜代表

1977年横浜市生まれ。2001年上智大学文学部哲学科卒。
百貨店、税理士事務所、経営コンサルティング会社への勤務を経て、2013年FPオフィス ケセラセラ横浜を開設。信用取引や商品先物取引、投資信託、FXなど投資という名の付くものは すべて経験し、その中で自身に一番合った大家業を2007年にスタート。 不動産投資に関するアドバイスを中心とした ファイナンシャルプランナーとして活動中.。著作に『FP大家だけが知っている資産形成に中古ワンルームを選ぶと失敗しない理由』(合同フォレスト)、『老後が不安……。貯金と年金で大丈夫ですか? インフレ到来で「貯めているだけ」は危険』(現代書林)がある。エフエム戸塚「戸塚井戸端会議。」レギュラー出演中。

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