2030年までに豊洲化する?「京急空港線沿線」羽田空港と一体化後のポテンシャル

これから5年、東京都内で注目の地域をピックアップしてみた。キーワードは「再開発」「インバウンド」「アクセス」。そこで浮上したの地価7%の上昇の「京急空港線」沿線だ。そのポテンシャルとは。

山下努2025/04/02

狙い目は海老取川西岸地区

こうした新しい施設は海老取川の東岸に集中しているが、西岸には昔ながらの住宅街や商店街が広がっている。

天空橋駅は空港に近い絶好の立地であり、空港関連の業務従事者や頻繁に海外と行き来する外国人の需要が期待され、「外国勢と連結できる最短の場所」として海外向け海外向けにPRできるだろう。

東京で外国人に人気のエリアといえば、銀座、麻布、青山、六本木、渋谷、新宿など都心から東京西部にかけての地域だ。しかし、25年3月27日には「TAKANAWA GATEWAY CITY(高輪ゲートウェイシティ)」の一部が先行オープンした。
「TAKANAWA GATEWAY CITY」は、品川駅北側の旧田町車両センター跡地を活用した都心最大級の再開発プロジェクトである。JR東日本は羽田空港への直接乗り入れを計画し、JR東海はリニア中央新幹線の始発駅を品川駅に設定するなど、東京の再開発は都心南部へシフトしていきている。

2025年3月27日にオープンした「TAKANAWA GATEWAY CITY」

これが蒲田経由で空港方面へと延びることを考えると、「将来、羽田は丸の内・大手町のようなビジネス街とマンションが建ち並ぶ職住一体の新たな街へと生まれ変わる可能性がある」という予測も成り立つ。
全国的に人口は首都圏に集中し、その中でも東京23区の都心部への流入が進んでいる。その受け皿となるのがタワーマンションであり、23区の中でも品川区はタワーマンションの大型開発が特に多い。

海外から日本への玄関口が羽田空港であり、そこから東京への入口が高輪ゲートウェイ駅であるとすれば、その途中にある京急空港線の5駅が立地する大田区の羽田エリアは、豊洲やお台場と並ぶウォーターフロント&エアポートエリアとして、都内の不動産価格上昇が期待できる注目エリアの1つといえるだろう。

『2030年不動産の未来と最高の選び方・買い方を全部1冊にまとめてみた』
(山下 努 著)
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山下努

山下努経済アナリスト

不動産など資本市場の分析と世代会計、文化財保護に高い関心持ち、執筆活動を行っている。『不動産絶望未来』『2030年不動産の未来と最高の選び方・買い方を全部1冊にまとめてみた』(いずれも東洋経済新報社)などペンネーム・共著含め著書多数。
(著者連絡先)windomaezaki@yahoo.co.jp

 

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