年間利益はどのくらい? インバウンドで注目の「民泊投資」をシミュレーション

インバウンド需要によって、民泊投資に注目が集まっている。実際の利益はどのくらいかをシミュレーションしてみると……

川久保文佳2024/07/12

年間利益はどのくらい? インバウンドで注目の「民泊投資」をシミュレーション
  • 民泊需要は観光地だけでなく、意外な地方でもニーズがある
  • 民泊投資で欠かせない要素は清掃、メンテナンス、集客、レビュー管理、収支管理
  • スタートは煩雑な手続きも多いが、始めてしまうと収益率は高い

そもそも「民泊投資」とは?

インバウンド需要の高まりにより、単なる不動産投資から民泊投資への注目が高まっている。
民泊は特に観光地や都市部での需要が高く適切な運用がなされれば高い利回りが期待できる投資といえるだろう。

民泊投資の利回りは、場所、季節、物件の設備状態などによって異なる。一般的には、繁忙期には高い稼働率と収益が見込まれ、閑散期には収益が低下しがち。そこで利回りを最大化するためには、需要に応じた価格設定やマーケティング戦略が求められる。

また、民泊は2018年6月に施行された「住宅宿泊事業法」によって、自治体への民泊事業者としての届け出を行い、適切な管理を行うことが必要だ。
とくに年間の営業日数年間180日を超える宿泊提供の禁止、宿泊者名簿の管理、近隣住民への説明責任などが求められる。地域によっては「特区民泊制度」によって、特定の地域では住宅宿泊事業法の規制とは異なる条件での民泊を運営することが可能で、年間180日を超える宿泊提供が認められる。

特区でなくても民泊投資の成功例として、東京都心にある物件を民泊として運営している民泊投資家の一人は「年間を通じて高い稼働率を維持できれば、月平均で20万円の売り上げを得るというのは、それほど難しくはない」と話す。
要はやり方次第ということらしい。先の民泊投資家は、「繁忙期には1日あたり5万円以上の賃料を設定するなど、需要に高低に応じて値段を変更するダイナミックプライシングを導入するなど戦略的な価格設定、閑散期はAirbnb(エアビーアンドビー)など民泊サービスのプラットフォームでキャンペーンを行うなどとマーケティングを工夫することでお客を呼び込める」と話す。

民泊投資は、投資物件を買って入居者が入ってしまえばあとは管理会社にお任せという不動産投資に比べ、経営センスが問われるというわけ。つまり、成功にはそれなりのノウハウが必要だ。
 ただし、民泊の管理会社に業務の一部を委任することによって、仕事をしながらでも民泊経営は可能だ。

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この記事を書いた人

川久保文佳

川久保文佳一般社団法人空家空室対策推進協会代表理事/株式会社エアロスペース jasmin(全国民泊同業組合連合会)理事

北海道函館市生まれ。大学 卒業後、リクルート住宅情報事業部にてライターを務めた後、IT企業を経て不動産関連事業へ転身。その一方で、化粧品とサプリメントのコンサルティングや専門家としてのアドバイザー務める。海外派遣先では、フィリピン・タイ・カンボジア・マレーシアなどで日本への輸出入をテーマにセミナーを行うなどマルチに活動している。
現在は酒蔵を応援する SAKEPAを立ち上げ、日本酒業界の発展を応援している。
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