一般社団法人全国空き家流通促進機構代表理事
1978年神奈川県生まれ。大学卒業後大手不不動産会社に勤務したのち、買取再販売メインとする不動産会社に転職。その後、34歳で株式会社リライトを設立。創業以来、赤字の依頼でも地方まで出かけ、近隣住民や役所などと交渉。売れない困った不動産売却のノウハウを身につけてきた。また、神奈川県横浜市神奈川区で空き家を有志とともにで再生し、家族食堂など他世代交流拠点「子安の丘みんなの家」を運営している。
著書に『売れない不動産はない!』(叶舎刊)『困った不動産を高く売る裏ワザ』(ぱる出版刊)『不動産をうま~く処理する!とっておき11の方法』(ファストブック刊)がある。
築120年、自分の代で処分したい
2023年10月時点の空き家の数は過去最高の900万戸、空き家率も13.8%と増え続ける一方です。
そんな空き家でも比較的に人気があるのが「古民家」ですが、家だけであればよいですが、地方の古民家は、家だけでなく農地や山林などが付随した物件も多く、売却のが難しくなります。
今回は、そんな古民家の事例をご紹介します。
ご相談者は神奈川県にお住まいの方で、相続した山梨県甲府市にある実家の空き家を手放したいという依頼でした。
お話によると、相続したのは1989(平成元)年のこと。甲府駅から35kmほどのところにある空き家でした。
建物は明治36年ごろに建築されたもので、ご兄弟が5~6年前まで住まわれていまししたが、それ以降空き家となっているとのこと。
そのため年に数回、草刈りと換気を行っているものの、ご本人もご高齢になり、このままでは子どもの負担になってしまうという懸念のため、なんとか手放したいというご依頼でした。
これまで地元不動産会社3社に相談されたものの、相手にしてもらえず、タダでもいいから手放したいとのことで当社にいらっしゃいました。
ご本人からうかがった不動産の詳細は以下になります。
・交通の便は、甲府駅からバスになるり、本数も少ない
・建物は明治36年頃建築の古民家で土間や蔵もある
・5~6年空き家の状態で過去に動物が棲みついてしまった
・境界標が一部不明
・市街化調整区域内の農用地がある
・土地面積の合計が7853㎡と広い
※農地の一部道路のない囲繞地となっている
・農地部分は耕作放棄地と雑木林となっている
・建築基準法で定める道路に接道していないため、建物の建替え・増改築が容易でない
・不動産を手放すために16筆ある土地と建物の相続登記している
こうしたお話をうかがい、ご相談者のご意向を叶えられるよう当社でお手伝いさせていただくことにしました。