「慢性頭痛」を漢方でスッキリ解消! 症状別おすすめ漢方薬活用法

片頭痛は男性の3.6%、女性は男性の3倍以上の12.9%と有病率の疾患で、その原因もさまざま。そんな原因別に対応するおすすめ漢方を解説。

斉藤明美2024/11/25

3)首・肩こりを伴うタイプ

首や肩こりなどのほかにイライラやのぼせを伴うこともあります。
自律神経の失調などによる気の高ぶりで血の巡りが悪くなる、また筋肉の緊張によるこわばりなどが原因となります。
こうした頭痛では、「血」の流れをスムーズに整えながら、「気」や「血」の不調を改善していきます。

【頭痛の症状・傾向:血色はよいが下腹部がはる傾向があり、月経痛、子宮内膜炎などがある】
*桂枝茯苓丸
(ケイシブクリョウガン) 血色がよく、下腹部がはる傾向があり、月経痛、子宮内膜炎などがある方に。
のぼせがあるのに足腰は冷えることもあり、腰痛、めまいが起こる方に用います。
こうした頭痛は、体を温め、「血」と「水」を巡らせながら血行を改善することで頭痛を改善します。

【頭痛の症状・傾向:イライラ、のぼせ、便秘を伴う方に】
*桃核承気湯(トウカクジョウキトウ) イライラ、のぼせ、便秘を伴う方に
 頭痛のほかにのぼせ、いらいら、便秘、月経異常などを伴う場合に用います。
 「血」の巡りを整えながら、精神不安を鎮め、便通を整える効果があります。

【頭痛の症状・傾向:首・肩のこりがひどく、胃腸虚弱のない方の頭痛】
*葛根湯(カッコントウ) 首・肩のこりがひどく、胃腸虚弱がない方の頭痛
葛根湯という漢方の風邪薬の定番で、風邪の初期症状による頭痛にも緩和します。
身体を温めて発汗することにより「気」や「血」の流れを改善して、筋肉のこわばりや痛みを和らげます。
発汗させる作用があるので汗をかいている、項(うなじ)に 手をあてると”じめっ”としている方は発汗が促されるので注意が必要です。

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この記事を書いた人

斉藤明美

斉藤明美薬剤師・医学博士

北里大学薬学部卒業後、大学病院、企業診療所、透析施設で薬剤師として勤務。その後、製薬会社で企画販売に従事し、体調を崩した時に漢方薬に出会い、漢方を学びはじめる。日本漢方協会漢方講座を経て、田畑隆一郎先生の無門塾入門、愛全診療所 蓮村幸兌先生(漢方専門医)の漢方外来にて研修。現在は「より健やかに、更に美しく」を目指して患者さんの漢方相談、わかりやすい漢方の啓蒙活動に取り組んでいる。著書に『更年期の不調に効く自分漢方の見つけ方』(ごきげんビジネス出版)がある。

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