週刊、月刊誌の編集記者、出版社勤務を経て現職。経済・事件・ビジネス、またファイナンシャルプランナーの知識を生かし、年金や保険、企業レポートなど幅広いジャンルで編集ライターとして雑誌などでの執筆活動。ビジネス書、経済書などの書籍編集を行っている。
ホームページが変えた「会社の未来」――2つの実例
建設業を本気がこれまでHP制作を行ってきた事業者は100社あまり。そのほとんどが同社にHP制作を行ってきたクライアントからの紹介だという。これだけでもいかに信頼され、実績を上げてきたかの証左になるだろう。
そんな顧客と最初に行うのが、徹底的なヒアリングだ。そこで行う最も重要なことは「何を目的にHPを作るのか」ということ。
そのうえでクライアントの社長の思い・会社の文化・伝えるべき価値を掘り起こす。例えば採用が目的であれば、欲しい人材、売上であれば、それを必要とする顧客に刺さるコンテンツを構築していく。

HP作成の目的を若手社員の採用にした足場工事会社のケースでは、社長の「素」「人柄」「考え方」が伝わる映像を組み込んだ。そして、先輩社員を紹介するページで仕事内容などを語ってもらう。こうしたことで社風を見える化した。
実際のHPのトップページでは、ドローンを使い、社員一人ひとりの顔が見える場面から一気に上昇する映像から入る。HPを開いた瞬間に会社の規模感と、事業内容の迫力が伝わるよう設計した。
この会社のHPでは「ビジョンを語ってほしい」「理念は?」と問いかけ続けた結果、数か月後に社長自らが会社の思いを言葉に書き起こした。その挨拶文が完成したころから、会社は急成長。みるみるうちに企業規模は倍になった。「言葉になっているから認識でき、信じられる。思いが伝わるから、共感し、応援したくなる」(黒田さん)という同社の哲学が、まさに体現された事例だ。
採用しすぎの贅沢な悩み――8年間の伴走が生んだ成果

同社が8年にわたって伴走してきたクレーン会社では、いまや「採用しすぎ」という贅沢な悩みを抱えるまでになった。日本全国各地、離島からも応募が来るという。
その理由は、ホームページのトップに「企業理念」をブレることなく掲げ続けたことにあった。
このクレーン会社のHP制作は古いHPのリニューアルからスタートし、1年目以降はSEO対策として、クレーンで三角コーンを積み上げていくなど高い技術力や専門的なコンテンツ記事を積み重ねていった。特に力を入れたのが収益の柱である「大型クレーン」での検索順位を上位に引き上げることだった。
4年目に内容を動画中心にして、クレーンの専門知識や現場の様子を発信していった。この動画が「若い人が入社する会社」というイメージを定着させることに成功。5年目にはTikTok・Instagramも展開し、現場作業員から「TikTok見てるよ」と声をかけられるほどの認知を獲得したという。
2025年3月には月間累計55万回再生を達成し、HPからの新規受注は50件から124件へと倍増。採用と集客の両輪で実績を残している。
「見える化」が、業界を救う
これらの事例に共通するのは、いずれも「思いを言語化し、映像で伝える」という点だ。「3K」というイメージを、現場での技術力と仕事に対する誇り、人への思いやり、チームワークで成り立っていることが伝えられている。
「本当はすごいことが、伝わっていない」「誤解が人手不足を生んでいる」「社長や会社の思いが見えず、人が離れていく」――だからこそ建設業の技術、文化、思いを言葉と映像に変換。若者が「この会社で働きたい」と感じる状態をつくり出すことに力を入れる。
建設業の人手不足は、まさに待ったなしの大きな課題だ。しかし、正しいかたちで伝えれば、人は動く。「建設業を本気で良くする株式会社」の試みは、確実に業界全体の未来を切り開くヒントになっている。
建設業を本気で良くする株式会社:https://kensetsu-yokusuru.com/









