週刊、月刊誌の編集記者、出版社勤務を経て現職。経済・事件・ビジネス、またファイナンシャルプランナーの知識を生かし、年金や保険、企業レポートなど幅広いジャンルで編集ライターとして雑誌などでの執筆活動。ビジネス書、経済書などの書籍編集を行っている。
建設業を取り巻く少子高齢化と人手不足の現実
日本の人口減少は、あらゆる産業に深刻な影を落としている。少子化によって生産年齢人口は縮小し続け、企業の採用活動はどの業界でも年々困難を極めている。その中でも特に厳しい状況に置かれているのが建設業だ。
国土交通省が2026年4月に公表した最新データによると、建設業就業者数は2025年時点で478万人。1997年のピーク時の685万人から、およそ四半世紀の間に200万人あまりが減少した。
深刻なのは数だけではない。このデータによれば、就業者のうち55歳以上が36.6%を占め、29歳以下は11.9%と、全産業と比べても高齢化が進行している。
加えて、厚生労働省が2026年1月に公表した職業別有効求人倍率で見ると、建設躯体工事従事者が7.48倍、土木従事者が6.33倍、建築・土木・測量技術者が6.00倍と、建設系職種は軒並み高水準で、求人を出しても人が集まらない状態が深刻化している。
この課題は建設業界だけの問題ではない。道路、橋、トンネル、住宅といった日常生活を支えるインフラのすべては、建設業に支えられている。しかも、2030年までには団塊の世代が70代後半となり、技術継承が困難になることで、工事の品質や安全性にも深刻な支障が生じかねず、その技術を継承する担い手不足は、日本全体の問題といえる。
「建設業を本気で良くする」――その名の通りの会社
こうした厳しい現実に、真正面から向き合っている会社がある。その名も「建設業を本気で良くする株式会社(以下=建設業を本気)」である。
同社を引っ張っているのが社長の黒田実緒さんだ。黒田さんは1989年生まれ、栃木県宇都宮市出身。父はサッシ職人、祖父は宮大工という、筋金入りの建設業の家に育った。
そんな黒田さんだが、思春期のころは、父の作業着姿を恥ずかしいと感じたこともあったという。しかし、「自分は何をしたらいいか」をもがく中で、建設業に対する偏見を持っているのが、誰より建設業の近くにいた自分自身だったということに気づいたという。
父親をはじめ、建設現場で働く人に目を向けると、そこには仕事にプライドを持ち、口はぶっきらぼうでも愛情深い「職人」の格好よさを改めて感じた。その姿を社会に伝えたい――この原体験が会社設立へと繋がった。
理念やビジョンを言語化する

建設業を本気では、HP制作をメインに動画制作、SNS運用代行を通じて、建設事業者の採用・集客を支援している。対応業種は、クレーン、内装仕上げ、足場工事、土木、左官、塗装、解体、電気、地盤改良など多岐にわたる。
同社が掲げる企業理念は「建設業を、次の世代へつなぐ」というもの。
「私はHP屋さんではありません。HPを創ることを通して、理念やビジョンを言語化しているんです」
と話す黒田さん。建設事業者が持つ技術・誇り、責任感を言葉と映像にして、世間一般が持ついわゆる「3K」のイメージを払拭。魅力ある仕事であることを伝え、新しい人材を呼び込み、業界全体を活性化することに力を注いでいる。










