週刊、月刊誌の編集記者、出版社勤務を経て現職。経済・事件・ビジネス、またファイナンシャルプランナーの知識を生かし、年金や保険、企業レポートなど幅広いジャンルで編集ライターとして雑誌などでの執筆活動。ビジネス書、経済書などの書籍編集を行っている。
利回り15%を実現する収益モデル
地方には空き家が多いので物件探しには、それほど苦労がないという。
実際の購入はキャッシュで、購入後リノベーションし、投資家へ売却する。
「うちが売る物件の利回りは15%前後になります。その理由は物件自体が安いですし、部屋の広さにもよりますが、寝室として1部屋に2~3人、これに共有スペースを作ることで、賃貸アパートと比べれば1.5倍家賃収入になります」
つまり、シェアハウスにすることで一般的な賃貸アパートよりも収益性が高くなるというわけだ。
もちろん、単に物件を売却するわけではなく入居者も確保する。
具体的には外国人支援会社からの依頼が中心で、職種や人数などに合わせて空き家物件を探す「需要先行型」が基本だ。こうしたことで空室リスクを最小化している。
農業と合わせた前年度の売上は約9億円。今では売上の大半を不動産事業が占めており、今後は農業法人とクールコネクトを完全に分社化し、農業は加工・卸売に、不動産は外国人向け賃貸・社宅代行に、それぞれ特化させていく方針だ。
空き家でキノコ、そして「世界初」のウニ・クエ養殖へ

こうした空き家活用はシェアハウスだけにとどまらない。露地野菜の不安定さをカバーしようと着目したのがシイタケ、キクラゲを中心としたキノコ栽培だ。
「農業だけですと、投資に対してのリターンを読むのは難しいところがあります。そこである程度見通しが立てられるというのがシイタケやキクラゲでした」
キノコ栽培にした理由もわかりやすい。
「水やりは自動化できるため人手も少なくて済みますし、キノコは葉物野菜の植物工場のように光(日当たり)が必要なく大規模な電力コストがかかりません。ビニールハウスよりも空き家買った方が安上がりです」
空き家をキノコ施設に改装する技術で特許も取得している。
キノコの次は空き家で海産物

2026年3月からさらに新たな挑戦として始めたのが空き家を活用したウニとクエの養殖だ。
「空き家でウニやってるところははいないですね。クエもいないと思います。世界初です」と胸を張る神戸氏。
群馬などの海なし県ではニジマス、ヤマメなどの淡水魚の養殖はあるが、海水魚の養殖は岐阜県のトラフグぐらいしかない。
それにしても、なぜウニとクエなのか。
「業者に小さな面積で養殖ができて、単価が高いものは何かと相談すると、ウニとクエという答えだったので、それをやってみようと」
と笑う神戸氏。これはキノコのシイタケとキクラゲの栽培も同じ理由だ。ただ、ウニとクエは現時点では実証段階で、空き家活用の一例として可能性を探る姿勢で臨んでいる。
農業からスタートし、「空き家×外国人材」という社会課題の交点にビジネスを見出したクールコネクト。キノコ栽培から海産物の養殖まで、「使われていない空間」の価値を問い直す実験が続いている。









