インバウンド需要で活況の民泊
旅行の予定を立てる際、とりあえず宿泊先だけ先におさえておく。そんな行動は、いまや珍しいものではない。訪日外国人の増加により、日本の宿泊市場はかつてない活況を迎えており、宿の確保は旅の第一歩となっている。
日本政府観光局(JNTO)の最新推計によると、2025年の訪日外国人旅行者数は約4268万人と過去最高を更新した。コロナ禍からの回復局面を超え、インバウンド需要は明確に拡大している。宿泊需要の高まりは、旅行者の行動や街の風景にも変化をもたらしている。
そのため、宿泊需要の増加はホテルや旅館にとどまらない。民泊もその受け皿の一つとして存在感を高めている。観光庁によれば、住宅宿泊事業法に基づく民泊の届出件数は累計5万件を超え、供給は再び増勢に転じている。これは都市部だけでなく地方部でも訪日客の受け入れ手段として民泊が活用されており、空き家活用としても注目を集めている。
とはいえ、届出件数が増加しているからといって、民泊市場が安定成長を続けているわけではない。民泊への参入と撤退は表裏の関係にあり、廃業する人や業者も多い。
また、騒音、ゴミ出し、深夜の出入りなどをめぐり地域住民とのトラブルに発展するケースも出ており、自治体によっては独自の規制を設けたり、民泊の開業を抑制したりする動きも出てきている。
先の予約ほどキャンセルされやすい
こうした民泊を取り巻く周辺環境とは別に、民泊経営を行ううえで大きな落とし穴もある。
それが突然のキャンセルである。とくに90日以前に予約された案件、さらに高級価格帯の物件でキャンセルが多いというのである。

民泊・宿泊施設向けに運営支援を行うタビルモ(本社・東京都渋谷区)が管理する予約データをもとに、予約時期別のキャンセル率を調べたところ、宿泊日の90日前に入った予約のうち、約4割が最終的に実宿泊に至らなかったという。











