早期予約は一見すれば、早期の売上確保と見える。しかし、予約から宿泊までの期間が長いほど、利用者側には予定変更や比較検討の時間が生じる。また、航空券の価格変動、同行者の都合、より条件の良い宿泊先の出現など、要因は多岐にわたる。結果として、早期予約ほどキャンセルのリスクを内包する。言い換えれば、早期予約とは利用者側にとっては「とりあえずの確保」という感覚というわけである。
とくにこの傾向は高価格帯の民泊で顕著だという。高額な宿泊費は、利用者にとって「仮押さえ」の意味合いが強くなりやすく、予定変更時にキャンセルされやすい構造があるという。
一方、宿泊日が近づくにつれてキャンセルが少ないのが「直前期の予約」であり、むしろ民泊運営にあたっては安定性が増す。このため、単に予約件数だけを見ていると、こうした中身の違いは見えにくい。
キャンセルが発生した後の対応も、オーナーの収益を左右する。繁忙期であればすぐに予約が入る可能性が高いが、タイミング次第では空室のままとなることもある。中でも地方部や高単価物件ほど、その影響を大きく受ける。

数字だけでは見ない民泊のリスク
調査を行ったタビルモ社では、キャンセル率を単なるトラブル指標ではなく、「収益管理のための重要な経営指標」と位置づけている。
これを防ぐには、予約時期別のキャンセル傾向を把握し、価格設定やキャンセルポリシー、直前期の予約受付に関する対策や戦略を設計することが重要だとしている。
イインバウンド需要の拡大は、民泊市場にとって確かな追い風である。ただし、予約が入った時点で収益が確定したと考えるのは早計だ。
旅の予定が変わることは、利用者にとっては自然な行動であり、その積み重ねがキャンセルという形で現れる。
数字の裏側にあるこの現実をどう管理するか。民泊経営にあたっては、宿泊予約の「量」だけでなく、その「確度」を高める運営がオーナーには求められる。
民泊の活況の裏側で、こうしたリスクが浮かび上がっている。










