一級建築士、宅地建物取引士。
多くの大工棟梁を育てた工務店の三代目として育つ。家業をベースにした「地場工務店を経営する一級建築士事務所」として多様な暮らしに寄り添った家づくりを実現。「住まう人のやりたいをかたちに」を経営理念とし、家の設計から新築やリフォームの建築工事までをワンストップに取り組む家づくりに詳しい専門家。
住宅産業で使われるキーワードの続きです。前回はチラシやモデルハウスなど家を売るための仕掛けをご紹介しましたが、今回は接客の現場で使われるキーワードを見ていきます。「○○年保証付き」など、住宅販売の現場では買う気をそそる言葉がたくさん使われています。それを鵜呑みにすると、後悔することになりかねないので、言葉の裏の意味までしっかり押さえておきましょう。
小林桂樹2026/03/03

☆建築士EYES
今、あなたが「家が欲しい」となると、スマホやパソコンので検索をされることでしょう。このことは避けて通ることはできません。しかし、このネット検索を楽しみながら、よりあなたにピッタリとあった家づくりを進める方法があります。
住宅販売業者(住宅メーカーや住宅ビルダー)の数は非常に多くて、その選別さえままなりませんが、あなたが家に「ブランド」を求めたり、「会社が大きい故に感じる安心感」を求める場合を除き、多種多様な「家選び」「家さがし」の情報に惑わされてしまいがちです。これはリアルに営業マンと向き合っても同様です。
これまで当たり前のように繰り返されてきた商品(家)の販売のされ方に対する営業ワードを知っておくだけで、これからはじめる確かな家づくりのポイントを押さえることができます。偏った情報に流されることなく、真に思い通りの家を手に入れる営業マンの常套句を知っておきましょう。
131)モデルハウス販売[もでるはうすはんばい]
モニターハウス同様「今すぐ客」を集めるには便利な方法。古くなったモデルハウスの有効活用と一石二鳥。
132)スピードと効率化を図る
できるだけ早く契約をして、できるだけ早く商品(家)を引き渡してしまう(「手離れがよい」といわれている)方法を考えること。じっくり考えながら自分の家をつくりたいと考えているあなたの考えとは正反対。「手離れがよい」仕事で都合がよいのは商品(家)を販売している住宅販売業者。
133)住宅営業マン[じゅうたくえいぎょうまん]
商品(家)をできるだけ「効率よく」売る専門家。マニュアルで家の売り方を最初に勉強するが、家づくりのエキスパートにはなりきれない。ノルマに追われ、お客様と現場監督と会社の上司の板ばさみにされ、なかなか息がつけないらしい。
134)マニュアル[まにゅある]
営業マンが商品(家)を売るときの決め言葉や殺し文句、契約までの訪問、電話、誘い出しのタイミング、お客のランク分けの仕方とランクアップの方法等がまとめられているもの。「商品を売るための指南書」で、その目的は営業の効率化。
135)住宅営業[じゅうたくえいぎょう]
精神論、技術論といわれている営業。住宅営業マンは、お客様から信頼感と安心感を勝ち得るために次の技術を研修で学んで実践で磨いている。
・「挨拶、お見送り」の仕方
・「第一印象」のつくり方
・「ニーズキャッチ」の方法
・「商品説明」のやり方
・「着座接客」の実施
・「次回アポ」の取り方
・初回訪問から契約までの信頼獲得の組み立て方
・売りやすい営業トーク
136)保証[ほしょう]
「私が保証します」これは住宅営業マンの決まり文句です。この言葉を鵜呑みにしないこと。「好きなようにできる」「何か不都合が起こったら無償でいろいろやってくれる」と思ったら大間違い。
137)保証期間[ほしょうきかん]
住宅販売業者(住宅メーカーや住宅ビルダー)は、10年、20年、30年、中には60年の保証を謳っている。「こんなに長くていいの?」とついつい喜んでしまうが、必ずしも無償ではないので要注意。「末永く面倒をみさせてください。(お金は頂きますが)」という意思表示です。仮に無償でも、あなたの家の値段に折り込み済み。
138)カタログ[かたろぐ]
室内の写真がどんなに豪華に見えても、家族だんらんの写真がどんなに楽しそうに見えても、そうした家で生活するのはあなた自身とあなたの家族です。あなたの夢を膨らませているのはどんな暮らしかよく考えて。「カタログ」を読み込むのはほどほどに、家づくりに詳しい専門家との「会話のキャッチボール」を楽しみながら、あなただけの家をつくることが大切。
139)自由設計[じゆうせっけい]
住宅販売業者(住宅メーカーや住宅ビルダー)がいう「決められた枠組みの中でいろいろなものが自由に選択できます」ということ。住宅営業マン」はいいます、「どんな我がままでも大丈夫」「あなたの思い通りにできます」と。この言葉は鵜呑みにしてはいけません。いかにも設計に自由がありそうですが、まったく自由に設計できるわけではないので注意が必要。
140)企画設計[きかくせっけい]
家の間取りや仕様を規格化して、各業者の戦略的な商品としての家をつくり出すための設計方法。自由設計を際立たせるために使われる場合が多い。商品化された家は業者主導の「家選び」になりやすい。「間取りはどうでもいいから、とにかく安く家を手に入れたい」と願っている人向きともいえる。超低価格住宅はこの設計手法が使われている。
141)シンプル・イズ・ベスト[しんぷる・いず・べすと]
文字通り「単純明解が一番」。複雑すぎると壊れやすかったり、凝りすぎると飽きてしまったり、メンテナンスにも手間暇が掛かってしまうので、「可能な限り単純なものにして、壊れにくく飽きのこない、メンテナンスが容易な家にしましょう」ということ。この言葉が住宅メーカーや住宅ビルダーにかかると、「開発した商品(家)」の価格が安くできた理由に使われる。
142)プレゼント[ぷれぜんと]
キャンペーン期間中に、あなたが家を購入したらもらえる物。家には関係ないものが多い。家に「おまけがある」のは気を付けましょう。何故なら、そのプレゼントの料金はそのしょうひん(家)の価格に含まれています。
143)コンサルティング[こんさるてぃんぐ]
住宅メーカーや住宅ビルダーがそろって使い始めた言葉。「我が社は生活提案ができます。あなたの家を一緒につくりましょう。どうぞいつでも相談に来てください」という営業姿勢。自社の商品(家)でできる生活提案。
この記事を書いた人
小林桂樹株式会社パウムテック代表取締役
一級建築士、宅地建物取引士。
多くの大工棟梁を育てた工務店の三代目として育つ。家業をベースにした「地場工務店を経営する一級建築士事務所」として多様な暮らしに寄り添った家づくりを実現。「住まう人のやりたいをかたちに」を経営理念とし、家の設計から新築やリフォームの建築工事までをワンストップに取り組む家づくりに詳しい専門家。
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