納得できる「家づくり」用語集 省エネ住宅編

CO2をはじめとする温室効果ガスの排出量と吸収量を差し引きゼロにする「カーボンニュートラル」。日本でも2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、CO2の排出を抑えるさまざまな取り組みが行われています。そうした中で推進されているのが「住宅の脱炭素化」です。政府は2030年度以降に新築される住宅・建築物については、高い水準の省エネルギー性能が確保されることを目指しています。そこで、今回は「省エネ住宅」に関するキーワードをみていきます。

小林桂樹2025/07/09

納得できる「家づくり」用語集 省エネ住宅編
  • CO2排出量削減のカギを握る「住まい・建築物の脱炭素化」、そのキーワードは
  • 省エネ住宅、ZEHの家、高気密高断熱、24時間換気システム、深夜電力
  • オール電化住宅、太陽光発電システム、クッキングヒーター、電気温水器、

67)省エネ住宅[しょうえねじゅうたく]
地球温暖化対策が世界の潮流となるなか、特に強調されている省エネルギー(省エネ)を目的にした家。

68)ZEHの家(ゼッチのいえ)
「net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の頭文字を取った略語で呼ばれている家。戸建ての住宅やマンションの住戸で「エネルギーの収支をプラスマイナスゼロ以下にする家」という意味が込められている。家の中で使うエネルギーと、太陽光発電システムなどで創るエネルギーとで年間で消費するエネルギーを「実質的に」ゼロ以下にできる。

69)高気密高断熱[こうきみつこうだんねつ]
「なんかよさそう」「快適そう」に感じられため人気がある言葉。外気(外部環境)から遮断された家の内部環境をつくることができるが、このため強制的に換気吸気をする必要があり、「24時間換気システム」が欠かせない。

70)24時間換気システム[にじゅうよじかんかんきしすてむ]
高気密・高断熱の家には欠かすことができない強制換気設備。この設備がないと、この家の内部環境は快適できれいに保つことができない。家の中の空気調整を24時間続けるので、機械音が気になりやすく、設置位置や施工方法がポイントになる。

71)深夜電力[しんやでんりょく]
深夜11時から朝の7時まで、昼間の電気料金に比べてかなり割安になっている電気。

72)オール電化住宅[おーるでんかじゅうたく]
すべての住宅設備に電力で稼動する電化製品を利用した家。ガスや石油などの化石燃料を使うことはないので、現在の「地球環境を大切に」考える社会情勢にあった家といえる。近年は電力会社から「深夜電力」などのサービスが提供されているので、そうしたサービスを取り入れることでオール電化がしやすくなって

73)太陽光発電システム[たいようこうはつでんしすてむ]
太陽の光を使って発電した電力を使うシステム。個別の家の屋根に「ソーラーパネル」を載せて自家発電した電気を使うことができて、余った電気(余剰電気)は電力会社が買い取ってくれる。夜は発電しないので、電力会社に支払う電気料金がゼロ円になるわけではない。余剰電気の購入金との差額で電気料金がただになる場合がある。

74)クッキングヒーター[くっきんぎひーたー]
ガスコンロに代わって、煮たり焼いたりすることができる電気を使った加熱コンロ。加熱性能が高く安全で使いやい「IHクッキングヒーター」が人気。オール電化住宅には欠かせないアイテム。

75)電気温水器[でんきおんすいき]
石油給湯器やガス給湯器の代わりに、電気で温水をつくる大きな「電気ポット」のようなもの。「深夜電力」等のサービスを使えば、その家の燃料費は割安になる。オール電化住宅には欠かせないアイテム。

『その家が「空き屋問題」になる前に読む本』小林桂樹 著

この記事を書いた人

小林桂樹

小林桂樹株式会社パウムテック代表取締役

一級建築士、宅地建物取引士。

多くの大工棟梁を育てた工務店の三代目として育つ。家業をベースにした「地場工務店を経営する一級建築士事務所」として多様な暮らしに寄り添った家づくりを実現。「住まう人のやりたいをかたちに」を経営理念とし、家の設計から新築やリフォームの建築工事までをワンストップに取り組む家づくりに詳しい専門家。

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