トレンド2:「インカム」より「キャピタル」重視
投資用区分マンションや一棟アパート・マンションの価格は、直近12年で最高値を更新している。中でも区分マンションは前月比で10.57%と大きく上昇。一方で、物件価格の上昇を受け、一棟アパートや一棟マンションの利回りは低下傾向にあり、区分マンションも6%台後半で横ばいと、過去と比べて低水準で推移した。

こうした環境下でも取引が行われている背景として、投資家の判断軸が利回りよりも資産価値へ移行している実態が示されているという。
中でも、年収3,000万円以上の層では「都心部の資産価値重視(インカムよりキャピタル狙い)にシフトした」との回答が23.6%に達した。
また、投資用不動産を買い時と判断する理由として「価格がもっと上がるから」が50.7%と最も高かった。さらに、自宅に関する調査では、自宅について「投資目線で考えている」と回答した割合が50.9%に上り、マンション所有層では70.4%だった。
これは自宅であっても、いざとなれば貸せる・売れるというリセールバリューを見極める姿勢が広がっているというのである。
トレンド3:「賃上げ」トレンドの継続
2025年に広がった賃料引き上げの動きは、2026年も継続するという。これは賃貸借契約の多くが2年更新であるため、2025年に改定時期を迎えなかった物件の更新が2026年に集中するためだという。
調査では、金利上昇やコスト高騰を受けた投資戦略の変化として、「所有物件の賃料を上げた」と回答した投資家は24.3%となった。

さらに、収益物件の価格動向を見ると、全国の築20年以上の区分マンション平均価格は、この3年間で約1.6倍(1,151万円から1,869万円)へと上昇。新築・築浅、築古物件にも価格上昇が波及しており、従来の賃料水準では購入価格や運営コストに見合う収益確保が難しくなっている。
投資にあたっての懸念は「金利の上昇」が54.9%と最も高く、「建築費・資材費の高騰」が50.0%、「利回りの低下」が49.7%と上位を占めた。物件価格と修繕費や管理コストが高騰したことから、従来の家賃設定のままでは賃貸経営の維持が厳しくなりそうだ









