空き家売却の平均期間は13.3か月
不動産買取再販事業を行うAlbaLink(本社・東京都江東区)は、空き家売却経験者139人を対象に実施したアンケート調査の結果を公表した。
それによるとすでに売却を終えた人の平均売却期間は13.3か月で、最も多かったのは「3か月超~半年以内」だった。アンケート結果からは短期間で売れたケースもある一方、「5年以上経過しても売却できていない」という回答もあり、売却を完了できる期間には大きな差が出ている。
売却が想定どおりに進んだかを尋ねた質問では、「想定より順調だった」が23.0%、「想定通りだった」が18.0%で、これを合わせた41.0%が順調に進んだと答えた。しかし、残る6割近くは「時間がかかった」「まだ売れていない」としており、必ずしも売却がスムーズとはいえない状況がうかがえる。

売却が比較的順調だった人たちの理由としては、「立地がいい」(29.8%)が最も多く、「急いでいなかった」(22.8%)、「不動産会社の対応が良い」(19.8%)が続いた。ほかにも、「近所の人が買った」「物件がきれいだった」など、個別の事情が挙げられている。
一方、売却に時間を要した理由では、「立地が悪い」(41.5%)が最多だった。次いで「不動産会社の対応が悪い」(18.3%)、「物件の状態が悪い」(17.1%)、「売り出し価格が高かった」「親戚との折衝に時間がかかった」などがあった。このことから地域や物件の条件だけでなく、人的要因も売却には影響していることがうかがえる。


売却の過程で「大変だったこと」を尋ねると、「不動産会社とのやり取り」が34.5%と最も多かった。次いで「維持費の支払い」(17.3%)、「残置物の片付け」(15.1%)が続く。
空き家の維持費は年間20~30万円
空き家といえども、維持費には固定資産税や光熱費、除草などが含まれ、年間で20万~30万円に上るケースもあるという。とくに遠方の空き家では、残置物の処分や移動だけでも負担が大きいようだ。
回答者の中には、売却活動を開始してから1年以上かかった人も多く、5年以上を要した例も少なく、前述のように平均では13.3か月だが、実際には短期で売れる場合と長期化する場合もあり、その維持の負担も大きくのしかかることになる。
今回のアンケート結果からは、空き家売却の現場で多様な事情が交錯している様子がうかがえる。
立地条件や物件の状態はもちろんだが、不動産会社との関係や手続きの煩雑さなど、所有者が直面する課題は少なくない。売却を検討する際は、事前の準備はもとより、相談先になる不動産会社の選定が重要で、その見極めが空き家を処分する分かれ道とも言えそうだ。








