「勝どき・月島vs武蔵小杉」タワマン比較 価格・資産性、利便性、生活スタイル…どっちを選ぶ?

タワマーションが建ち並び首都圏で人気を集める湾岸の勝どき・月島エリアと、再開発で注目される川崎市の武蔵小杉エリア。価格、資産性、アクセス、生活環境など、注目のタワーマンション立地を徹底比較。今選ぶならどちらが正解なのか、実需・投資の両面から検証

内外不動産価値研究会2025/07/18

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街の個性とランドマーク物件比較 再開発が進む2エリア

街の特色に関しては、武蔵小杉が再開発区と昔ながらの商店街が共存する多様性のある都市構造を有し、「パークシティ武蔵小杉 ザ グランドウイングタワー」(2014年3月/築11年:(㎡単価=約170万円))や「シティタワー武蔵小杉」(2015年12月/築9年:㎡単価:約180万円)といった代表的なタワーマンションが駅近で良好な管理体制を保持している。

武蔵小杉駅周辺

勝どき・月島は、東京湾を望む開放的な眺望が魅力だ。街の雰囲気は、勝どき・月島エリアは、東京の下町で今もその雰囲気はあるものの、急速な再開発が進み、街並みは大きく変貌してしまっている感は拭えない。
そんな勝どき・月島エリアでは、武蔵小杉エリアの2物件に比べると築年数は経ってしまうが、㎡単価ベースでは同じくらいの「THE TOKYO TOWERS」(㎡単価=約185万円)や「リバーシティ21スカイライトタワー」(㎡単価=約160万円)など、大規模で共用施設が充実した物件が多く、高層階からの夜景を楽しめる物件だ。
築年数が10年前後の物件となると「勝どきビュータワー」(2010年11月/築約12年:㎡単価=約237.4万円)や「キャピタルゲートプレイス ザ・タワー」(2015年7月/築10年:㎡単価=249.1万円)といったあたりが代表的な大規模タワーマンションになるだろう。

観光地化してしまった「月島もんじゃストリート」

災害リスク――両エリアの耐性と管理体制は?

災害リスクという点ではどうだろうか。
両エリアともに災害リスクは顕在化している。
武蔵小杉では2019年に多摩川氾濫による冠水被害が発生したが、以降、下水設備の整備や浸水対策が進み、価格は安定して回復している。また、大型マンションの流通量が多く、修繕積立金などの負担分散が評価され、転売時の売却容易性が資産性を支えていそうだ。
勝どき・月島も液状化や高潮など湾岸特有のリスクがある。もちろん、建設時に地盤改良や防災設備の整備も行われていることから、物件相場的には影響はないようである。こちらも大規模物件が多く、管理体制の安定性が資産価値の下支えとなっているという点では同様らしい。

価格差2000万円超 資産性とライフスタイル、どちらを優先?

結論として、売買検討者が都心ブランド・眺望を重視するなら、勝どき・月島エリア。ただし、それなりの価格負担が大きくなる。新宿、渋谷といった東京西部が活動範囲の中心ということであれば、交通アクセスや生活環境の多様性からは武蔵小杉に軍配が上がりそうだ。

とはいえ、価格差が70㎡換算で2,000万円以上になることから、資産性の維持に加えてライフスタイルとの整合性が判断基準のカギになりそうだ。また、中古の場合は、大規模修繕がいつ行われるか。加えて、管理体制が安定しているとはいえ、修繕積立金が確保されているか、世帯数が多いこともあるのでチェックすべき点は多い。

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この記事を書いた人

内外不動産価値研究会

内外不動産価値研究会

政治・経済、都市開発・不動産、再開発等に関係するプロフェッショナル集団。主に東京の不動産についてフィールドワークを重ねているが、再開発事業については全国各地の動きをウォッチしている。さらにアジア・欧米の状況についても明るいメンバーも参画している。

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