ここが違う「太陽光投資と不動産投資」 果たしてどっちが儲かるか?

太陽光投資は、脱炭素や温暖化ガス排出量削減などの時代背景にマッチし、毎月安定した収入を得られる魅力的な資産運用方法だ。不動産投資との違いや共通点、そして投資家が注意すべきリスク、そして、どっちが儲かる投資なのか――。

齋藤岳志2024/06/28

ここが違う「太陽光投資と不動産投資」 果たしてどっちが儲かるか?
  • 太陽光投資は、時代にマッチした投資アイテム
  • 太陽光投資の融資は、マイホームローンの審査に影響がない
  • デメリットは太陽光発電は換金化が難しい
  • 「投資の裁量」という点は不動産投資のほうが自由

メリットの多い太陽光投資だけれど……

不動産投資に関心があって、調べていると、太陽光投資についても、何らかの情報を目にする機会があるかと思います。

太陽光投資も、資産運用の手段の1つです。
脱炭素、温暖化ガス排出量削減、2050年までに実質ゼロ目標が掲げられる時代背景も踏まえると、ちょうどマッチした投資対象なのかもしれないな、とも感じます。

不動産投資と太陽光投資、共通している点は、「毎月定期的に安定したインカム収入をもたらしてくれる」という点です。

また、太陽光の場合、不動産のように「空室リスク」がなく、20年間は国の買取保証がついているので、不動産以上に、安定収入を得やすいと感じています。
しかしながら、電力の需要と供給をマッチさせないと停電をもたらしてしまうということで、出力制限などが行われ、売電の機会損失が生じているケースもあり、マイナス面も指摘されています。

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投資として見た場合、収益のマイナスにつながるケースではありますが、再生可能エネルギーの割合を高めていくために、蓄電池を普及させていこうという動きもあります。
そうなれば「出力制御に伴う機会損失を減らすこともでき、安定収益につながりやすくなるのではない」かとも思います。

さらに、もしフラット35を利用してマイホームを買う場合でも、太陽光投資の融資残高は審査に加味されないので、マイホーム購入でローンを使うにとしても投資対象として、悪くないようにも感じます。
しかし、私のような、区分所有マンション大家の融資残高は、住宅ローンの審査に加味されてしまいます。一棟アパートや戸建の融資残高は加味されません。(2024年4月末時点)

以上のように、時代背景などを踏まえた、メリットに感じる点をあげてみましたが、そんなメリット、デメリットを考慮して、私自身は、太陽光投資を、自分の資産運用には取り入れていません。
「メリットもあるのに、なんで取り入れていないの?」
と思われる方もいるでしょう。これはあくまでも、私の資産運用のスタンスからの結論です。個人的見解なので、決して太陽光投資を否定しているわけではありません。

そのうえで私が私が太陽光投資をしていない1番の理由は「出口が見えにくいから」です。

つまり、「もし現金化したいという時に、換金できるイメージがしにくい」というの大きな理由です。
太陽光投資は、不動産投資よりも利回りが高く、ここまでお話ししたように空室リスクがありません。しかも、毎月のお金の流れの仕組みづくりとしては、優れた対象だとは感じています。ただ、不動産とは違って、中古での売買市場のようなものが、まだまだ整備されていないというのが、私の印象です。

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この記事を書いた人

齋藤岳志

齋藤岳志CFP ・FPオフィス ケセラセラ横浜代表

1977年横浜市生まれ。2001年上智大学文学部哲学科卒。
百貨店、税理士事務所、経営コンサルティング会社への勤務を経て、2013年FPオフィス ケセラセラ横浜を開設。信用取引や商品先物取引、投資信託、FXなど投資という名の付くものは すべて経験し、その中で自身に一番合った大家業を2007年にスタート。 不動産投資に関するアドバイスを中心とした ファイナンシャルプランナーとして活動中.。著作に『FP大家だけが知っている資産形成に中古ワンルームを選ぶと失敗しない理由』(合同フォレスト)、『老後が不安……。貯金と年金で大丈夫ですか? インフレ到来で「貯めているだけ」は危険』(現代書林)がある。エフエム戸塚「戸塚井戸端会議。」レギュラー出演中。

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