失敗しないマンション投資 信頼できる販売・管理会社の選び方

マンション投資は、物件を買っただけでは終わらない。その後の入居者の募集、賃料管理、メンテナンス、居住者からの要望への対応などやらなければならないことがある。それを任せるのが管理会社で、いわば、ビジネスパートナーだ。こうしたパートナー選びのポイント。

齋藤岳志2024/04/30

オーナーとしては気になる入居率

向き合う方向性が「同じ」会社を選ぶ

そんな管理会社の最初の候補がその物件の販売と販売後の賃貸管理を自社で行う会社です。

というのも、販売後、空室を1日でも早く解消しようと入居者の見極めが甘かった場合は、オーナーであるあなたにとってマイナスにもなりますが、入居者さんの直接の窓口になる、賃貸管理を行う管理会社自身が、自分で自分の首を絞めることにもなりかねません。

つまり、賃貸管理を自社で行う場合、オーナーと賃貸管理会社はトラブルなく、満室経営を維持し続けること、お互いにとって共通の利益になるからです。

だからこそ、購入後の賃貸管理まで自社で責任をもって行う姿勢のある会社は、パートナーとしてふさわしく、よい賃貸管理で信頼を得られなかった場合、物件の追加購入や賃貸管理の継続などの面で、長いおつき合いができない可能性にもつながります。

このようなことも考えた上で、購入前に、その会社が契約している「オーナーさんの人数」や「管理している部屋の数」、「入居率」という賃貸管理の実績などを確認することが大切です。

管理会社よって有利な融資条件を引き出すことも

また、金融機関とのパイプという点からは、金利などの面で、有利な条件で借りることができるかどうかが、収支面などに影響を及ぼします。

同じ金融機関から借りる場合でも、例えばA社であれば年利が1.8%だけど、B社だと2.6%というようなことがあります。

これは金融機関と不動産会社が、どの程度の信頼関係にあるかを推し量る1つの目安になります。

もちろん、金融機関が借り入れの審査でどのように判断するかという点もあります。とはいえ、同じ借りるのであれば、金融機関からの信頼が厚いと思われる会社を通じて融資を受けたほうが金利の優遇などがあります。

融資交渉も有利になる可能性も

例えばですが、その不動産会社の紹介で融資を受けた人の中に、返済を滞らせる人が多ければ、その会社は金融機関からの信頼を失ってしまいます。また、購入希望者への融資というだけでなく、その不動産会社自身も、自社で保有する物件購入のために借りたり、事業の運転資金として借りたりという関係もあります。

紹介をして返済を滞らせるなどトラブルが増えてしまうと、他の顧客を紹介しにくくなるだけでなく、自社の借り入れの際に、マイナス評価をされてしまうことにもつながります。
だからこそ、金融機関とのパイプが太いということは、その会社が信頼されていることの裏返しでもあり、それが結果的に購入するほうのためにもなっている、ということにつながるのです。

金融機関も、その時々の方針や世の中の情勢などを鑑みながら、融資に対するスタンスを変えることは往々にしてあります。

なので、パイプの太さという点で言えば、1つの金融機関とだけ信頼を厚くしている会社ではなく、複数の金融機関とのパイプがある会社。顧客に応じて、紹介できる金融機関が複数ある不動産会社のほうが、購入時に失敗しにくくなるのではないか、とも私は考えています。


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この記事を書いた人

齋藤岳志

齋藤岳志CFP ・FPオフィス ケセラセラ横浜代表

1977年横浜市生まれ。2001年上智大学文学部哲学科卒。
百貨店、税理士事務所、経営コンサルティング会社への勤務を経て、2013年FPオフィス ケセラセラ横浜を開設。信用取引や商品先物取引、投資信託、FXなど投資という名の付くものは すべて経験し、その中で自身に一番合った大家業を2007年にスタート。 不動産投資に関するアドバイスを中心とした ファイナンシャルプランナーとして活動中.。著作に『FP大家だけが知っている資産形成に中古ワンルームを選ぶと失敗しない理由』(合同フォレスト)、『老後が不安……。貯金と年金で大丈夫ですか? インフレ到来で「貯めているだけ」は危険』(現代書林)がある。エフエム戸塚「戸塚井戸端会議。」レギュラー出演中。

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