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NISAだけでは足りない?「増やす・守る・使う」お金の三分類整理術

老後のお金というと、NISAやiDeCoの「増やす」だけに目を向いて「守る」という視点が抜け落ちてしまいがちだ。しかし、お金には「増やす・守る・使う」という3つの役割があり、それぞれに適した置き場所がある。この3つを整理するだけで、ただ増やすだけでない何にお金が必要かの目的も見えてくる

古川愛弓2026/05/08

NISAだけでは足りない?「増やす・守る・使う」お金の三分類整理術
  • 「増やす」ことばかりを考えていると、「守る」という視点が忘れがちになる
  • お金は「使う・守る・増やす」の3つバランスをとることで目的が整う
  • 保険・非課税制度・住宅ローンまで、「守るお金」の選択肢は幅広い

老後資金から考える「増やす」と「守る」

2019年の金融庁報告書が端緒となった「老後2000万円問題」をきっかけに、将来のお金を自分で考える女性が急増しました。なかでも近年際立っているのが、NISAやiDeCoの活用です。

楽天証券の調査によると、積立NISAの口座保有者における男女比は、2022年2月時点では6対4だったものが、同年末にはほぼ半々まで女性比率が上昇しました。大和証券のデータでも、この10年でiDeCo加入者に占める女性の割合が明らかに増加しています。金融庁の調査では、2025年3月末時点のNISA口座数は約2647万口座に達しており、制度開始から1年強で政府の目標買付額56兆円を前倒し達成するという驚異的な広がりを見せています。
こうした流れ自体は、とても良いことだと思います。

一方で、「増やす」ことへの関心が高まった分、「守る」という視点がおざなりになっているケースも目立ちます。生命保険文化センターの2024年度調査によれば、老後や介護への経済的な備えで「充足感なし」と答えた人は6割を超えています。増やすことに目が向くほど、守る仕組みが後回しになりがちな現実があるのです。

「老後2000万円問題」は今や過去の話になりつつあります。
物価の上昇や生活費の変化、介護・医療リスクを加味した試算では、老後の必要資金は大きく膨らんでいます。

また、生命保険文化センターの調査によると、夫婦でゆとりある老後を送るために必要な生活費は月39.1万円(2025年調査)とされています。公的年金の受給額との差を20~30年にわたって自前で補填することを考えれば、その準備は早いに越したことはありません。

制度の「期限」を確認する

お金を守る・増やす仕組みとして、非課税制度の活用も欠かせません。ただし、これらは永続的な制度ではないことを理解しておく必要があります。

■教育資金の一括贈与(最大1500万円非課税)
祖父母や、父母から30歳未満の子・孫へ教育資金を一括贈与する場合、1500万円(学校外教育費は500万円)まで贈与税が非課税となる制度です。2013年に創設され、延長を繰り返してきましたが、富裕層への偏りや格差固定化への懸念、教育無償化の進展などを理由に、2026年3月31日をもって終了することが決定しており、期限の検討が必要です。

■暦年贈与(年間110万円の基礎控除)
年間110万円以内の贈与は贈与税がかかりません。ただし2024年以降、相続開始前の贈与が加算される期間が段階的に延長(最大7年)されました。早期・計画的な贈与がより重要になっています。

■相続時精算課税
2024年以降、年110万円の基礎控除が新設されたことで使いやすくなりました。まとまった生前贈与を検討する場合に有効な選択肢です。

■生命保険の非課税枠
死亡保険金には「500万円×法定相続人数」の非課税枠があります。相続対策として終身保険を活用する方法は、現在も合理的な手段として機能しています。

こうした情報を目にすると、「いまのやり方で大丈夫なのか」と不安になる方もいるかもしれません。でも、必要以上に焦ることはありません。大切なのは、正しい知識のもとで、自分のお金の役割を整理しておくことです。

お金の3つの役割

資産を上手に築いている人ほど、お金の役割をきちんと分けて考えています。
1)使うお金
日々の生活費や突発的な出費に備える、手元に置いておくお金です。一般的に生活費の3~6か月分が目安とされています。すぐに引き出せる流動性が最優先なので、普通預金や利率の良い決済口座で管理するのが基本です。ただし、金利がほぼゼロの口座に大量の現金を眠らせることにはメリットはありません。

2)守るお金
万一のとき、家族や自分の人生を支えるためのお金です。ここで重要な役割を担うのが保険です。

3)増やすお金
将来に向けて、資産運用で育てていくお金です。NISAやiDeCo、証券投資などがここに当たります。

この3つを意識して分けるだけで、お金の管理はずいぶんとシンプルになります。

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この記事を書いた人

古川愛弓

古川愛弓つなぎひと

家族の死を機に保険業へ転身。保険のみでは防げないリスクを「セブンポケッツ(多角的な収入と人脈)」の積み立てで補う重要性を学修。心とお金を優しく整える「つなぎひと」として、経営者交流やパルフェの会を主宰。単に「お金の積立」に留まらず、人と情報の繋がりを資産に変え、愛が広がる豊かな未来をデザインするサポートを行っている。

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