1949年生まれ、静岡県出身。1971年慶應大学法学部卒、同年山一證券入社。1985年新日本証券国際部入社、パリ駐在員事務所長を経て企業部にて新規公開企業の実務に携わる。1998年退職後、コンサルタントとして独立。著書に『株をやさしく教えてくれる本』(あさ出版)などがある。フジサンケイビジネスアイ株式初級講座、ラジオ日経の「株式宅配便」のパーソナリティを務める。

米国景気次第では2回連続の金利引き下げも
では国際事情からこれからの為替相場を考えてみよう。
ドル円相場での米国への懸念からみると、とりわけ見逃せないのが雇用問題である。現政権は連邦職員の大幅削減を進めており、4~6月期には雇用数は前月に比べ鈍化するとみられる。とはいえ、国外追放した不法移民の仕事を解雇されたホワイトカラーの人々がするとは思えず、雇用のミスマッチは大きくなりそうだ。
そのためFRBは雇用統計の動向を見ながら、柔軟な金融政策(金利の引き下げ)で対応することになろう。つまり、6月にも金利の引き下げに踏み切ることも予想される。
このタイミングでの引き下げの可能性を念頭に静かに円高ドル安に進むだろう。
加えて、ドル円のパターンには、規則的なものもある。
具体的には2023年12月28日の140.25円、2024年9月6日の139.5円とテクニカル的にはダブルボトムを形成している。とはいえ、今回はその支持線を割り込む可能性も出て来る局面もありそうだ。
というのも、米景気の減速次第では2回連続の引き下げも予想されるからだ。そんな場合は、2023年10月16日の127.23円まで節目がなく、130円割れの円高を想定しておく必要があるためだ。
東京市場は円高局面では動きづらく、また米の政策を読めない段階で、2026年3月期の予想を立てづらくなる。このため5月には3月決算企業の発表が行われるが、26年3月期の業績予想を発表しない(できない)企業が出てくるだろう。
ここでは5%の減益で株価の予想を立ててはいるが、まだ織り込まれていない要因があることもあり慎重に対応したい。
一方で、景気対策及び米の関税対策として消費税減税に踏み切れば、意外な上昇へと転じる可能性は十分あり得ると考える。
そんな円高有望関連の13銘柄を出しておこう。
1.マルハニチロ(1333)
2.日清製粉G(2002)
3.セリア(2782)
4.神戸物産(3038)
5.王子製紙(3861)
6.JAL(9201)
7.ANA(9202)
8.中部電力(9502)
9.関西電力(9503)
10.大阪ガス(9532)
11.HIS(9603)
12.KNTCT(9726)
13.ニトリHD(9843)
(「13」は松下幸之助が「とみ」と呼び変え、幸運とした数字です。
※本稿は、投資における情報提供を目的としたものです。株式の売買は自己の責任において、ご自身の判断で行うようお願いします。