1949年生まれ、静岡県出身。1971年慶應大学法学部卒、同年山一證券入社。1985年新日本証券国際部入社、パリ駐在員事務所長を経て企業部にて新規公開企業の実務に携わる。1998年退職後、コンサルタントとして独立。著書に『株をやさしく教えてくれる本』(あさ出版)などがある。フジサンケイビジネスアイ株式初級講座、ラジオ日経の「株式宅配便」のパーソナリティを務める。
EPSから今後半年の株価を大胆予測
米国が貿易相手国に同水準の関税を課す「相互関税」を実施し、敵対する中国政府は報復関税を発動するなど貿易戦争の様相を呈し始め、世界の株式市場は大きく揺れている。
そんな中トランプ米大統領は、4月9日には中国を除く一部の国・地域に対し相互関税の上乗せ分を90日間延長する(7月上旬)と発表。一旦、小康状態を迎えている。
しかし、米国内では関税に加えて、国境管理の厳格化などを受けた影響が根強く、マクロ経済に不透明感が漂う。そのため株安・債券安・為替安のトリプル安の状況も現れている。
債券安については、中国による米国債券の売りともいわれ、中国による報復の一端がみられる。
そこで「半年後の株価」「半年後の為替」がどうなるか予想してみよう。
日経平均を構成する銘柄の1株当たり利益(EPS)をベースにより予想すると、2025年3月期のEPS2480円ではPERは13.67倍。2026年3月期は5%減益を前提に計算すると2356円となる。
この段階でPER13倍とすると安値は3万628円で、これが下限。上限を16倍とすると3万7696円となる。
すでに4月7日の段階で3万792円をつけているので、5%程度の減益幅は市場は織り込んだといえるだろう。
7月には参議院選挙があるため、7月上旬の相互関税停止期限までに大胆な景気対策が行われれば、上限の3万7696円が早期に破られてもおかしくはない。
一方、景気対策が国民の期待にあったものでなければ、再度の3万1000円割れの可能性もある。
テクニカル的には長い下髭をつけており、相場格言での「三空に売りなし」も経験しており、今のところは3万1000円は岩盤の下値といえる。