1949年生まれ、静岡県出身。1971年慶應大学法学部卒、同年山一證券入社。1985年新日本証券国際部入社、パリ駐在員事務所長を経て企業部にて新規公開企業の実務に携わる。1998年退職後、コンサルタントとして独立。著書に『株をやさしく教えてくれる本』(あさ出版)などがある。フジサンケイビジネスアイ株式初級講座、ラジオ日経の「株式宅配便」のパーソナリティを務める。
読み切れない11月相場
11月の相場展開を予想するのは難しい。
日米ともに大きなイベントを控えているからだ。10月27日は低支持率に悩む石破政権に対する評価が下される衆議院選挙、11月5日には大接戦が予想されて米大統領選挙の結果が今後の政治、経済に大きな影響を及ぼすことはいうまでもない。この結果によっては今後の金利政策に影響し、結果的には為替も大きく変化するだろう。
FRBは9月に大方の予想に反して0.5%引き下げ、予防的な措置として市場の評価を求めました。その後、米国経済は急激に悪化する様子もなく、FRBの政策は評価されている。その際、2026年に3%程度までにさらに金利を引き下げるため、11月、12月に経済状況を鑑み、市場にそれぞれ0.25%の金利引き下げを想定するシナリオを描いて見せている。その間に日銀は2%まで金利を引き上げるのがベストシナリオになる。
ドル円の為替相場は、7月3日の161.952円から9月16日には139.581円まで大きく揺れ、その振れ幅は22.14円。
これをテクニカル的に解釈すると、リバウンドは振れ幅22.14円の半値戻し150.657円が予想される。つまり10月17日には150.325円を付け半値戻しが達成されている。相場格言には「半値戻しは全値戻し」とあり、再び円安に振れることも予断をゆるさないことになる。
一目均衡表でも、厚い雲を上に突き抜けるタイミングが近づいている。また、先行スパン1と先行スパン2が交錯する変化日が11月6日で、米国大統領選挙の結果で為替が大きく動くことを示唆している。
為替動向から見ると、共和党のトランプ候補が優先といえる。というのも、トランプ氏は強いドルを政策の中で位置づけているからだ。一方、ハリス副大統領が勝利すると、為替相場は一転、ドル安・円高に振れる可能性は否定できない。